中国が高句麗(コグリョ)史歪曲に続き、「政府樹立以前の韓国史」を外務省ホームページから削除する「外交的挑発」に出た。歴史歪曲を「学術問題」で解決しようという両国間の合意を破り、韓国政府の是正要求を姑息なやり方で回避するに至ったのだ。遺憾なことである。広大な領土と14億の人口を誇ってもそのようなレベルでは、真の大国と言うことはできない。
中国の行為は、国交正常化12年を迎えた韓中関係に対する重大な挑戦である。昨年7月に胡錦濤国家主席は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と首脳会談を行ない、「従来の協力関係を基に、未来に向け全面的な協力パートナー関係を築くことで合意した」という共同声明を発表した。歴史を歪曲して韓国の正当な要求を無視するのが、全面的な協力パートナー関係なのか。中国政府は、共同声明を取り出して両国首脳の合意を読み返してもらいたい。首脳間の約束事まで紙切れにする外交には、歴史を論じる資格がない。
中国のダブルスタンダードも、正々堂々としたものとは言えない。中国は日本の歴史歪曲で、日本の首相訪問を受け入れない強硬対応を取っている。他人の過ちは戒めながら、自分の過ちに対する指摘には背を向けるのが、中国の歴史観なのだろうか。
中国の歴史歪曲が続けば、韓国も変わるしかない。韓国は、中国の外交懸案が問題になる度に慎重に対応してきた。「一つの中国」政策を支持し、チベットとダライラマ問題、中国の人権問題などに対して、時には中国を支持し、時には沈黙を守ってきた。世論の批判にもかかわらず韓国政府がこのような政策を堅持してきたのは、両国の友好協力関係増進のためだった。中国が韓国政府の善意を歴史歪曲で返すのなら、韓国国民ももはや政府の外交政策を許しはしないだろう。
中国政府は、韓国の是正要求を重く受け止めなければならない。両国が「歴史戦争」に突入しないことを望むなら、中国が葛藤解決の責任を負わなければならない。