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韓国アーチェリー「神との戦い」

Posted August. 09, 2004 22:15,   

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今からは太陽と風に立ち向かう。

108年ぶりにアテネで開かれるオリンピックで、全種目制覇を狙うアーチェリー選手団が、ギリシアの神々に向けて戦争を宣布した。太陽の神であるアポロンと風を起こすポセイドンが相手。くしくも、アーチェリー本選ラウンドが開かれるパナシナイコ競技場は、パルテノン神殿とは目と鼻の先だ。

アポロンはゼウスの息子であり、多くの神々のうち最も優れた外貌で、ニンフと人間の愛を独り占めした。弓術と芸術、音楽と医術を管掌する。しかしアポロンは、ここアテネで現地適応に余念のない韓国選手には意地悪な、憎い神だ。女子選手たちにはなおさらだ。

選手たちは最近、強化された薬物規定のため、40℃に近い強烈な太陽光線のもとで、サンブロッククリームさえつけることができない素顔で、訓練と実戦を行わなければならない。たとえ肌クリームであっても、薬物陽性反応を気にしなければならないからだ。実際、先月のアジア選手権で、韓国代表チームのある選手がサンブロッククリームが問題となってひどい目にあった。

五輪アーチェリー史上、初めての2冠王2連覇を狙う尹美進(ユン・ミジン)も、心配は並大抵ではない。きれいな顔が訓練初日で真っ黒になってしまったからだ。

世界最強の韓国を狙った標的薬物検査も大変だ。ソウルでユン・ミジン、チャン・ヨンホ、パク・ギョンモが世界反ドーピング機構(WADA)の1次テストを受けており、こちらではパク・ソンヒョンがアーチェリーで一番先に血液テストを受けた。弓術と医術両方とも太陽神アポロンの役割。そんなわけでアポロンは、韓国選手団には人気がない。

また、もう一つの敵であるポセイドンはゼウスとともに神殿の最高年長者だが、荒っぽくてよく腹を立てる海神。風と雨、波を呼ぶ三又の矛「トライナ」を持っている。

ポセイドンが注目を集めている理由は、海岸都市アテネの強い風のため。予選ラウンドが行われるデケルリア競技場で会ったソ・ゴウォン男子監督は「正確に照準をすれば、標的の2、3点台のところまで矢が流れるほど風が強い。また、前後左右に一定していない、いわゆる『わがままな風』のため大変だ」と話した。それに2次予選〜決勝戦が開かれるパナシナイコ競技場は、海に接していて海岸から吹きつける強風が、二つの方向に分けられている観衆席を回りながら旋風に突然変わる。

しかし、このすべての悪条件は他国の選手団もみんな経験する難しさ。結局、韓国アーチェリーが神話の都市、アテネで繰り広げる神との戦いは自分との戦いになるわけだ。



張桓壽 zangpabo@donga.com