色素を混ぜた粉トウガラシを製造した疑いが持たれている食品会社社長が、取引帳簿の提出を求める検察に「帳簿を燃やした後、残ったもの」とし、灰を提出した。ソウル中央地検・特別捜査第2部(南基春・部長検事)が11日伝えたところによると、J食品代表のシン容疑者は、赤い色素のタールを混ぜた粉トウガラシ110トンを製造し、市中に販売した容疑で、先月末、逮捕状が請求されたが、逮捕状の実質審査で「逃走・証拠いん滅の恐れがない」というなどの理由で棄却された。
検察は、逮捕状を請求する前に、J食品への家宅捜索を行ったが、会社の帳簿を見つけられず、解放されたシン容疑者に帳簿を提出するよう要請した。だが、シン容疑者は「逮捕状を棄却された後、帰宅すると、妻が帳簿を燃やしていた。やむを得ず、灰だけを持ってきた」とし、何を燃やしたのかさえ判別できない灰をビニール袋に入れて持ってきた。
検察は、粉トウガラシに入っていた赤い色素のタールを購入した明細書と流通ルートなどが記されている決定的な証拠である帳簿を確保できないまま、参考人の事情聴取などの補足捜査だけで9日逮捕状を再請求したが、10日再び棄却された。検察当局者は「シン容疑者が帳簿を本当に燃やしたならば、今度こそ『逃走・証拠いん滅の恐れ』がなくなったもの」とし、あ然としていた。
黃軫映 buddy@donga.com