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[社説]与党、歴史に「オールイン」するつもりか

[社説]与党、歴史に「オールイン」するつもりか

Posted August. 18, 2004 22:38,   

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父親の親日履歴を隠してきたことで道徳性が問題となり危機に追い込まれたヨルリン・ウリ党の辛基南(シン・ギナム)議長が、辞任の意思を表明した。これを機に、与党の歴史真相究明に加速度がつき、範囲もいっそう広がるという。足かせを払い落としたからには、もはや憚るものはないというムードが与党に漂っているのだ。

しかし、与党のこのような認識は共感し難い。辛議長が退く理由は嘘をついたからであって、父親の前歴のせいではない。彼の辞任を歴史の整理の足かせ除去と見る見方そのものが、事態の本質と食い違う。

ただでさえ政権側は、すでに「過去との戦い」に総力を傾けている。大統領の指示に従って、国情院などのいくつかの国家機関が独自調査に乗り出し、首相はこれを総括する責任を担っている。昨日は市民団体を参加させる案も話し合われたという。ウリ党は、「歴史真相究明タスクフォースチーム」を構成して活動を開始した。まるで党政が一丸になって歴史究明に「オールイン」するかのような状況だ。

このような状況の中、辛議長の辞任を機に、歴史究明により強く出なければならないという。何をどのように強く出るというのか。日帝、分断、戦争、独裁という辛い歴史を暴き出してみると、国中が反目と葛藤の激しい渦に巻き込まれる恐れがある。ややもすると、大韓民国の時計が半世紀前に戻り、時代外れの理念戦争をもたらすかも知れない。

与党は、歴史究明と経済の活性化を両立できると主張するが、歴史に「オールイン」する場合、時を急ぐ国家懸案がなおざりにされることは、火を見るよりも明らかだ。こうなってはいけない。重ねて言うが、歴史の究明は、歴史整理の次元で実施されなければならない。与党全体がこの問題に執着するような姿を見せることは望ましくない。政権側は、「歴史オールイン」が国の未来のために正しい選択なのか、果して現時点で多くの国民がそれを望んでいるのか、再度考えなければならない。