3日、流血鎮圧で幕を閉じたロシア南部・北オセチア共和国のベスラン第1公立学校人質事件は、死傷者が1000人を超える史上最悪の人質劇惨事として記録されることになった。ロシア検察は4日、「今回の惨事で子供155人を含めて330人が死亡した」と発表した。しかし、ロシア紙イズベスチアは「死者は500人を超えるだろう」と伝えるなど、犠牲者数はさらに増えるものとみられる。
420人余りの負傷者のうち、60人余りが重傷であるうえにまだ生死が確認されていない行方不明者も260人余りにのぼる。AFP通信も遺体安置所の職員の話として、少なくとも394の遺体が安置されていると報じた。
ロシア当局が把握した事件当時の人質は計1181人。現場で見つかった330人の遺体のうち、240人の身元だけが把握されている。
捜査当局は「30人余りの人質犯のうち、26人を射殺して3人を捕まえた」と明らかにした。人質犯の一部は脱出に成功してロシア当局が追っている。
人質犯の中にはアラブ人10人と黒人イスラム教徒1人が含まれていたという。同紙は、犯人たちがアルカイダ組織員である可能性が高いと報じた。
プーチン・ロシア大統領は4日、事故現場を訪れた後「ロシアは決してテロに屈服しない」と明らかにした。しかし、子供が大部分である人質が捕まっている状況で、無理な作戦で多くの犠牲者を出したことに対して、内外の非難世論が高まっている。
英国陸軍空輸特戦団(SAS)出身の対テロ専門家ジョーン・マカリス氏は「ロシアの鎮圧軍は作戦遂行に当たり、人質の救出よりは人質犯の射殺に焦点を合わせたとの印象が濃い」と話した。
一方、ロシア政府は「計画された作戦ではなかった。学校内で先に銃声と爆発があり、人質を救出するために仕方なく現場に突入した」と説明した。
今度の事態はプーチン大統領に相当な政治的ダメージを与えるという分析が大方の見方だ。
金起顯 kimkihy@donga.com