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[社説]社会長老たちの「憂慮表明」にそっぽを向くな

[社説]社会長老たちの「憂慮表明」にそっぽを向くな

Posted September. 09, 2004 22:26,   

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各界の長老1000人余りが9日発表した「自由民主主義守護のための時局宣言」には、今現在この国がどんな境遇に置かれているかに対する診断と処方が盛り込まれている。みんなが耳を傾けなければならない忠誠による苦言と思われる。

長老たちは、「代議政治と市場経済を根幹とする自由民主主義という大韓民国のアイデンティティが重大な挑戦にさらされている。首都移転、保安法廃止、過去の歴史清算、言論改革など、一方的な推進をただちにやめ、全ての国力を経済と安保の懸案解決に集中すべきだ」と促した。

正確な時世認識と言わざるを得ない。国のアイデンティティに対する懸念がこれほど高い時はなかった。長老たちは、「国が学生運動出身の386世代と進歩の仮面をかぶった親北・左傾・反米勢力の手に落ちようとしている」とまで主張した。どれほど切実であれば、この様な極端な言い方をしなければならないのかと思うと惨憺になるばかりだ。

長老たちの言葉通り、「大統領が学生運動出身者に取り囲まれ、国政懸案をないがしろにしたまま、過去の歴史の究明という名の下で、1940年代の亡霊である左右対立の理念葛藤を再燃させて、大韓民国の根を引き抜くことにのみ熱を上げている」ためなのか、大統領は答えなければならない。

長老たちはまた、「大統領と政府与党が一部市民団体と偏ったテレビ媒体の助けを得て、親日清算、疑問死是非、反米感情のような非生産的で消耗的な争点を持ち出して、生業に疲れている国民を『味方』と『敵』に分けてしまった」と述べた。多数国民が共感を覚える指摘である。大統領が国民統合のリーダーシップを発揮するために努力していたら、こうした言葉の出るはずがない。

長老たちの憂慮は、「安保と経済分野での左傾化政策に終止符を打って、大韓民国の憲政秩序に基づいて国民和合の土台を構築し、国に対する信頼を回復すべきだ」という注文につながった。正しい方向だ。「左傾化」という言葉に同意しないだろうが、そう見られただけでも反省しなければならない。この全ての混乱と分裂が結局政権のアイデンティティに対する不信のためではないだろうか。

1000人以上の各界の長老たちの苦言を、万が一にも保守既得権層の不満表出ぐらいにこき下ろさないでほしいものだ。戦争と分断の悲劇の中でも国をここまで牽引してきた主役たちである。独り善がりにとらわれて体に薬になる苦言にまでそっぽを向けたら、この政権に何が期待できるだろうか。