毒ガスの原料でも使われて戦略物資に分類される韓国産のシアン化カリウム100t余りが昨年輸出許可も得ずに中国を経由して北朝鮮に密搬入されたことが確認された。
また、今年の8月にもマレーシアの貿易業者が韓国産の一部を含めて40tのシアン化カリウムを北朝鮮に輸出した事実が確認された。
今回の事件を通じて化学兵器に加工されることができる戦略物資に関する輸出統制に問題点があることが明らかになった。しかし北朝鮮が輸入した原料で化学兵器を作ったかは確認されていない。
また、産業資源部(産資部)はシアン化カリウム107tが中国を経由して北朝鮮に搬入された事実を昨年9月に確認して、同年10月検察に告発したのに、今まで公式的な発表せず隠ぺい論争を続けている。産資部は24日、昨年6月から9月まで国内貿易業者が許可なしに中国業社にシアン化カリウム107tを輸出しており、この量がすべて北朝鮮に搬入されたと明らかにした。
産資部は昨年9月、このような事実を確認して同年10月にこの会社を対外貿易法違反の疑いで検察に告発した。これに対して裁判所は今年1月不法輸出の疑いの事実を認めて懲役1年6ヶ月に執行猶予2年を宣告したことが明らかになった。
産資部の関係者は「最初、中国にシアン化カリウムを輸出した国内業社も、この量が北朝鮮に搬入されることを知っていたものとみられる」とし「検察の調査と裁判所の判決でこの点が認められて処罰された」と明らかにした。
産資部はまた、先月マレーシアのある貿易業者が北朝鮮に輸出した計40tのシアン化カリウムのうち、韓国産が15t程度含まれているという情報を入手して、事実いかんを調べていると付け加えた。
産資部は昨年5月、国内の他の業社がタイに輸出したシアン化ナトリウム338.2tのうち、142.4tが再購入の形で国内に戻されており、残りの195.8tはタイの内需向けに使われて北朝鮮には輸出されなかったと明らかにした。
産資部はシアン化カリウムのような戦略物資の不法輸出を防ぐために戦略物資に対する管理を大幅に強化することにするなど対策作りに乗り出した。
産資部の徐泳柱(ソ・ヨンジュ)貿易流通審議官は「戦略物資の輸出統制制度の強化のための措置を取ってきたが、第3国経由など法の隙を狙った不法輸出が摘発されているため、総合的な対策を講じている」と話した。
申致泳 higgledy@donga.com