ポストシーズンでは選手がスポットライトを受けて人々の注目を集めてきた。しかし、今回の斗山(トュサン)と三星(サムスン)のプレーオフでは、金ギョンムン監督(46・斗山)と宣銅烈(ソン・ドンヨル)首席コーチ(41三星)がスポットライトを受けている。
二人は指導者としては「初心者」だが、実は「老練な」ベテランだ。時には緻密で、時には果敢だ。落ち着いて試合の脈をつかむ老練さは先輩たちを上回る。
捕手出身の金監督は、選手たちに信頼を与えて、自発的にベストを尽くせるようにするスタイル。
起亜(キア)との準プレーオフ第2戦で、9回の表、2−2同点を作った後、1死満塁でユ・ジェウンが打席に立った時と、延長12回の表、1死満塁で洪性炘(ホン・ソンフン)が打席に立った時、いずれも強攻策で貫いた。一度は失敗したが、一度は成功し、試合は結局勝利。満塁本塁打を打った洪性炘は、「コーチングスタッフが『君を信じるから、思う存分バットを振りなさい』と励ましてくれた時、気分が良かった」と話した。
金監督は今年、采配を取ってからたった1回のスクイズ作戦も指示したことがない。三星とのプレーオフ第2戦では、今シーズンで1勝も上げていない左腕のチョン・ビョンドュを、ボールの切れが良いとの理由で「びっくり先発」で登板させた。金監督の試合運営はこんな方式だ。
金応竜(キム・ウンリョン)監督からマウンド運用の全権を任された宣銅烈首席コーチは、プレーオフの第1、2戦を通じて一味変わった投手運用方法を披露した。第1戦より第2戦に重点を置いてエースを起用した点、抑え投手に林昌勇(イム・チャンヨン)でなくクォン・オジュンを登板させたのは、多くの専門家たちの予想を裏切った破格的なものだった。
これに対して宣コーチは、「指導者は信頼を与える選手を使う」という簡単な原則を述べた。誰もが知ってはいるが、ビッグゲームでは決断を下しにくい原則だ。このように宣コーチは冷静ではあるが合理的で果敢だ。
二人は高麗(コリョ)大3年先後輩の間。1978年度に入学した金監督は、4年生だった1981年度に入学した宣コーチのボールを1年間受けたことがある。二人の縁はそこまでだった。
「不世出の投手」宣銅烈がアマチュアに続いてプロまで掌握したのに対して、金監督はアマチュア時代、国家代表になれなかったうえ、プロでもこれといった活躍をすることができなかった。それぞれ行く道が違ったのだ。
しかし、今は指導者として再会した。選手としてのキャリアでは比べものにならないが、果たしてどちらがより良い指導者になれるのだろうか。
金相洙 ssoo@donga.com