「才能は落ち、貧しくて、官僚的で」。英紙ファイナンシャル・タイムズが「オックスブリッジ」(オックスフォードとケンブリッジ大学)を描写した表現だ。米アイビーリーグの名門私立大学はまるでプロ野球チームやベンチャー企業のようだ。いかにして年俸をもっと引き上げるか、ストックオプションをもっともらうかを思案する。「真夜中のアイビーリーグには電気がついていて昼間のようだが、オックスフォードに電気がついている所は食堂だけ」という言葉もそこから出た。どうしてこうなったのだろうか。
◆「みんなが大学に入らなければならず、すべての大学は同等に扱わなければならない」という平等主義教育観のためだという分析だ。国家が教育費を賄う代わりに、大学の入学試験政策を統制する。エリート主義に反対する労働党政権は、オックスブリッジにも「エリートでない」学生の選抜を促している。実力のある私立学校の代わりに、公立学校出身者をたくさん選べということだ。問題は大学生数の10倍増加にくらべ、支援金はそれほど増えないという点だ。最近、中国上海の交通大学が集計した世界10大大学の8校が米国の大学であるのに対して、ケンブリッジが3位、オックスフォードが8位であるのも、このような現実と無縁ではない。
◆大学1位のハーバード大学では競争が核心だ。最高の教授と学生を選んで、そのうち最高たる者にはもっと大きな補償を与える。私立なので政府の資金も干渉も受けることがない。家庭の都合と関係なく、優秀な学生を選んだ後、親の収入が年間4万ドル以下なら登録金を兔するのも、それで可能だ。このようなエリート優遇のお陰で、昨年だけで欧州から科学者40万人が米国に移住しており、ノーベル賞受賞者の3分の2が米国から出た。
◆ついにオックスフォードが独自の声を出し始めた。「教育的目的ではない政治・社会的目的のために入学基準の低下を求めるのは大学の存在理由に対する裏切り」と反論し始めたのだ。しきりに干渉すれば、アイビーリーグのように自立するとも言っている。国が大学に学生を「配分」したドイツでも、10校のエリート大学を作ると約束した。利口な学生が優秀な大学で教育を受けて世界の人々と競争してこそ、国益も増加するという論理だ。小・中学校の教育には国家が関心を持って支援するほど、経済成長率や労働生産性が増加すると言うが、大学は違う。政府が干渉すれば教育の競争力が劣るだけということを、欧州が教えてくれている。
金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com