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肌寒い初冬、縮みっぱなしの貧しい地域

Posted October. 28, 2004 23:42,   

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「石油代が心配になるよ」

26日午前、ソウル市恩平区鷹岩洞(ウンピョンク・ウンアムドン)の住宅街にあるチェ某お婆さんの狭苦しい部屋。チェさんは、地域のボランティア団体の「博愛在家老人福祉院」の社会福祉士・イムミヒョン氏(29・女)に会うと、涙をこぼした。

チェさんは聴覚障害で話すのも不自由な一人暮らしの年寄りだ。結婚した3人の娘たちに見捨てられて4年が経ったが、扶養家族となっている娘たちが経済活動をしているという理由から、お婆さんは生活保護の対象にもなれなかった。

イム氏は「残りわずかな小遣いと、福祉施設からもらう月1万ウォンが、お婆さんの唯一の生活費だ。石油を買うお金がなくて電気毛布で寒さをしのいでいるが、それさえ電気代が心配で使わないことが多い」と話した。

1人暮らしの年寄りはいろいろな病気を抱えている場合が多く、寒さは致命的だ。しかし、ほとんどの年寄りが、暖房で石油ボイラーを使う古い家に住んでいるため、お金のことが心配で、暖房もつけず、我慢しながら寒さに耐える。

イム氏によると、福祉施設で面倒をみている90人の独居老人は、夏が過ぎるとすぐ寒がったが、今でも暖房ボイラーをつけている年寄りは1人もいないという。

家庭ボランティア活動をしている金ヘスク氏(44・女)は、「1人暮らしの年寄りにとって、毎月15〜17万ウォンかかる燃料費は、1か月分の食事代より大きい。冬になると、寂しい気持ちを口にする年寄りが目立って多くなるのも、これと無関係ではない」と話した。

同日の午後、ソウル市銅雀区上道洞(トンジャクク・サンドドン)の貧しい撤去地域。

都市では珍しい柿の木やかぼちゃが秋の豊かさを感じさせているが、日差しに光る鉄条網の間に見える壊れた建物は陰気臭い。

64世帯、120人余りの住民が、移住費も払ってもらえず、30〜40年間住み続けてきた家を壊され、テントやまだ撤去を免れている隣の家での生活を強いられて3カ月。壊れた家から電気と水道を引いて使っているが、それさえいつ止められるか分からず、不安の日々を送っている。

チャン・オクスン(71)お婆さんは、「撤去班がいつくるか心配で、若い人たちも仕事に出られなくなって久しい。ボランティア団体と社会福祉士に助けてもらっているが、生活費が足りなくて借金だけが膨らんでいる」とため息をついた。

実際、生活保護の対象にならない撤去民のために、洞役場の社会福祉士、李ミョンジェ氏(45)は「緊急救済」の申請を出したが、まだ返事がない。李氏は「社会福祉システムが改善しているとはいえ、現場の実態を十分反映していない面がある」と残念そうに話した。

近くのS賃貸アパートの住民も同じく生活は厳しい。501号に住む朴オクスンさん(41・女)は、町内でフライドチキンの店を営んでいるが、2人の息子を女手一つで育てながら、作った借金が8000万ウォンを超え、結局、生活保護の対象になってしまった。

李氏は「家庭経済の崩壊によって家族を見捨てたり、手がけていた小規模の自営業がつぶれて低所得者になった片親の家庭が増えているのが最近の傾向だ」と説明した。



趙梨榮 丁陽煥 lycho@donga.com ray@donga.com