米マスコミ、ひやりとした「誤報の追憶」

「我々はトップになるより、正確でなければならないということで一致した」

ビル・ホワイトリーＮＢＣニュース担当副社長は先月３１日、英紙サンデー・テレグラフとのインタビューでこのように言った。ＡＢＣ、ＣＢＳ、ＮＢＣ、ＣＮＮ、ＦＯＸニュース、ＡＰ通信のマスコミ６社が「国家選挙プール」を構成して投票結果を共同報道することにした背景説明だった。

熾烈な速報競争のシンボルである米マスコミ各社は、０４年大統領選挙で「迅速」よりは「正確」を選択した。今回の大統領選が史上例のない薄氷の勝負であるためだ。マスコミらは特に、００年大統領選当時、多くの放送社と新聞社が誤報を出して恥をかいた事態を繰り返さないため、「報道コンソーシアム」を構成するなど慎重に慎重を期している。

００年１１月３日未明、開票放送中だったＡＢＣのピーター・ジェニングスは、「天地がひっくり返らない限り、ジョージ・Ｗ・ブッシュ候補が次期大統領です」と性急に報道し、最終勝者が確定するまで不安に震えなければならなかった。また、ＣＢＳはフロリダ州の勝者をアール・ゴア民主党候補と報道した後、訂正報道をする恥をかいたこともあった。

今回の選挙では、ＡＰ通信が大統領選はもちろん、上下院議員、州知事、州議会議員選挙のすべての開票集計結果を独占供給する。この間、選挙では開票結果集計機関が２ヵ所だったが、００と０２年選挙で問題が浮き彫りになったことから、今年はＡＰが単独で供給することにした。

「国家選挙プール」はミトフスキ・インタ−ナショナルとエジソン・メディア・リサーチが実施する出口調査結果を報道する予定だ。また時間帯の違う州に対しては、投票が締め切られるまで、出口調査結果を報道しないことにした。００年、フロリダ州では西北部地域の投票が終了する前に出口調査結果が報道され、混乱が起きた。

ＡＢＣは出口調査の結果、２人の候補の支持率差が１％未満である場合は報道をしないことに決めた。

異鎭 leej@donga.com