米国の第44代大統領選挙で、ブッシュ大統領の勝利が有力だという。再選とはいうものの、その意味は至極大きい。向こう4年間、世界がより平和でより豊かなになるかどうかが、彼の手にかかっていると言っても過言ではない。世界はすでに米国支配下の一極体制の下に置かれているためだ。良くても悪くても、それが今日の世界の姿である。
世界は、米国が「善意の管理者」になることを望んでいる。一方主義という非難をこれ以上聞かないためにも、対話と妥協を通じて平和を維持し、テロ、貧困、気象異変などの国際社会の新たな懸案解決に、より積極的に乗り出してもらいたい。ブッシュ大統領が、このような期待に応じることを願う。一極体制は、指導国家のリーダーシップによって、多極体制よりも安定的にも、不安定にもなり得ることを忘れてはならない。
ブッシュ大統領の再選で、米国の対韓半島及び北東アジア政策の一貫性が維持されるなら幸いである。北朝鮮の核問題は特にそうだ。ブッシュ大統領は、一貫して6者協議の枠組みの中で北朝鮮核問題を解決すると言ってきた。北朝鮮が望む米朝2国間会談は受け入れないということだ。金正日(キム・ジョンイル)政権は、このようなメッセージを読み取り、自ら交渉のテーブルにつかなければならない。米国は、北朝鮮人権法まで設けている。どのように執行して適用するかによって、北朝鮮政権の基盤までも揺さぶり得る法である。核の廃棄が悲劇的な状況を防ぐ第一のボタンだ。
北朝鮮核問題を含むすべての懸案は、韓米協力の土台の上で論議されなければならない。龍山(ヨンサン)基地移転、在韓米軍再配置や削減など、大きな問題はすべて妥結された。残った事は、執行過程での相互協力とこれを通じた信頼回復だ。対北抑止力維持に向け、韓米連合戦力を極大化する一方、ブッシュ政府が推進してきた海外駐留米軍の戦略的な伸縮性の確保と関連して、「在韓米軍広域化」問題も、慎重に検討してみる必要がある。イラクのザイトゥーン部隊の派兵期限も延長するのが正しい。
重要なことは、米国に対する韓国社会の一角の否定的な認識を変えることだ。感傷的な自主、中途半端な反米が、国益をいかに害するかは、これまでの経験が語ってくれる。この政権の「自主派」から、米国に対する認識を「反米」から「容米」に変えなければならない。感情的な反米を説得する眼目と勇気を持たなければならない。このためにも、対米外交ラインに対する全面的な手術を求める。
韓米同盟は単なる2国間関係ではない。日米同盟とともに、戦後半世紀を超えて維持されてきた北東アジアの現状維持体制を支える両軸の一つである。その性格に対するいかなる変化の試みも、北東アジアという大きな構図の中で、論議されなければならない。もとより韓米関係も変化している。もはや過去の施恵者と受恵者の関係ではなく、経済的に成長して政治的に民主化された韓国の立場が、対米関係にも反映されるべきだという指摘は正しい。
しかし、その目標と戦略は、中国の急成長と日本の軍事大国化の中で、韓米両国がいずれも勝者になれるというウィン・ウィンゲームに置かなければならない。真正な自主は、統一後に話しても決して遅くない。米国の大統領選挙を通じて、繰り返し確認した教訓であり、韓国の生存戦略でもある。