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緑内障、放置すれば失明する

Posted November. 07, 2004 23:18,   

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ノさん(58・自営業)は、昨年から目がかすむようになった。年を取ったせいだと思っていたが、最近になって眼科を訪れ、検査を受けた。その結果は、緑内障末期。視神経がほぼ全て壊れ、治療をしても失明する危険が高いという診断だった。

緑内障は、視神経繊維細胞が死に、視野が狭くなる病気だ。患者の90%以上は末期まで何の症状も感じない。このため、多くの人が治療時期を逃して視力を失う。

最近、眼科学界では、視野が狭くなる前に緑内障を事前に診断する研究が活発だ。先月末、米ニューオリオンズで開かれた米国眼科学会(AAO)の国際学術大会では、角膜の厚さで緑内障の危険を予測する研究に関心が集まった。

▲角膜が薄いほど緑内障の危険〓視神経の損傷は、自然な老化の過程である。目一つで120万個ある視神経繊維細胞は、毎年約5000個が死ぬ。50万個以上壊れると、視野が狭くなったと感じるようになる。緑内障は、視神経が非正常的に速く壊れること。

視神経が速く死ぬ原因は、まだ明らかにされていない。年齢、家族歴、高度の近眼、糖尿、高血圧などが緑内障と関連があると調査されているだけだ。このような要因と無関係な場合も多く、緑内障の危険を事前に知るための努力が続いている。

米国の開業医であるジョシュア・キム氏は、今回の学会で「44人の緑内障患者を7年6ヵ月に渡って観察した結果、角膜が薄いほど視神経が速く壊れることを確認した」と発表した。

セブランス病院眼科のホン・ヨンジェ教授チームが、眼科患者643人の角膜の厚さを測定した結果、平均値は555μmだったが、緑内障患者は537μmと、より薄かった。

視神経が壊れるのは、神経繊維束を通すために眼球の裏の強膜にできた穴のせい。眼圧が高くなればできるこの部分が変形して、視神経繊維を押さえつける。

強膜が薄いほど変形しやすいため、視神経が損傷する危険が高くなる。角膜が薄いほど、視神経の損傷が速いという研究結果は、眼球の前方の角膜の厚さで、眼球の裏側の強膜の厚さまで判断できることを示している。

角膜を薄く削るレーシックは、強膜とは関係なく、緑内障の原因になることはない。ただレーシック後、薄くなった角膜のために眼圧が実際よりも低く測定される。家族歴など、緑内障の危険要因を持つ人は、レーシック手術の前に必ず緑内障の検査を受けなければならない。

▲皮膚の色と緑内障〓角膜の厚さに対する研究を基に、人種別緑内障の有病率の差の研究も活発だ。

インドのイシュティアック・アフマッド氏は、多様な人種の患者1149人を集めて、角膜の厚さを比較した。その結果、アフリカ人、インド人、アジア人、白人の順に角膜が薄かった。人種別緑内障有病率の順は、角膜の厚さの順と一致する。

この結果を見ると、白人より角膜の薄いアジア人は、緑内障の危険が高い。特にストレスの多い人は、眼圧が高くなる危険が高いので、40代以降は毎年緑内障の検診を受けなければならない。

(アドバイス〓ソウル大学病院眼科の朴キホ教授、セブランス病院眼科のホン・ヨンジェ教授、ソ・ギョンリュル教授)



孫宅均 sohn@donga.com