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度外れの健康への心配も病気

Posted December. 12, 2004 23:01,   

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引き出しには営養剤が、冷蔵庫には漢方薬が一杯。健康を心配して薬を飲むのは悪い事ではない。ただ、薬を止めれば健康を害するのではという懸念が強すぎると話は違う。一種の強迫障害だ。

もっとひどい場合がある。いわば健康心配症だ。汗、疲れなど微弱な身体症状を根拠に自分が重病にかかったと信じ込み不安がる。もちろん、検査を行っても異常が見つからない。これもやはり精神医学の「教科書」に出ている厳然な精神障害だ。

最近あちこちから健康情報が溢れ出し、健康心配症の患者が大きく増えた。知識がかえって病気を作っているわけだ。内科、家庭医学科の患者の4〜6%がこれに該当するほどだ。もしかして、夫や妻が健康心配症ではないだろうか。

▲健康心配症患者の特徴〓色々な病院を転々とする「病院ショッピング」が共通して現れる。だからといって、医者の説明を信じない。自分の症状を長たらしく詳しく説明しながら、もどかしがる。また自分が十分な治療を受けていないと信じ込んでいる。医者が病気を発見できないと、誤診だとして無視する。

1〜2種類の疾患を集中的に訴える。また、病気の症状よりは結果にこだわる。例えば、「頭が痛い」ではなく、「頭が痛いから脳卒中だ」というふうにだ。医者が止めても言うことを聞かず、無理やり手術を受ける患者もいる。

問題はこうした過程で本当に病気が大きくなるということ。病気を特定できず、うつ病ができる。社会生活にも支障が生じる。医学的な原因が分からない胸の痛み、消化不良、頭痛など諸症状が繰り返し現れる場合もある。ひどい場合、妄想障害につながりかねない。例えば、「すでに癌細胞が体中に広がった」とか、「内臓が腐りかけている」と速断して、妄想にふけることだ。

▲どう治療するか〓家族の持続的な関心と説得が重要だ。一見仮病に見えるかも知れない。しかし、患者本人は自分が病気だと信じ込んでいる。こうした時、家族が無視すれば症状はもっと深刻になる。精神科に相談に行くよう説得する。

健康心配症の患者は、自分が精神障害を患っていることを認めようとしない傾向がとても強い。それでほとんどの場合、内科、外科、家庭医学科、神経科などを通った後、精神科を訪れるまで数年がかかる。精神科治療を受けても途中であきらめるケースが多い。

精神科相談を受けて薬を持続的に服用すれば、30〜50%は症状が改善する。普通、抗うつ剤や抗不安剤を一緒に処方する。内科あるいは外科治療を並行したりもする。

どうやってでも病気を治さなければならないという強迫観念にとられて、検証されていない秘法や民家療法に頼ろうとする患者が多い。体を壊しかねないので、家族の「監視」が必要だ。

▲予防する方法はないか〓健康心配症は年を取るにつれ、健康に対する自信がなくなり、ストレスが多くなるからできるというのが医学者の推定だ。精神分析学では現実から逃れたいという無意識が健康心配症を呼ぶとも見ている。気楽な心を持つのが最善の方法だ。

(アドバイス〓三星ソウル病院精神科のユン・セチャン教授、ソウル峨山(アサン)病院精神科のユ・ハンイク教授)



金相勳  corekim@donga.com