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[オピニオン] 毒殺

Posted December. 22, 2004 23:13,   

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ロシア権力の中心であるクレムリン宮殿は「死神の館」でもある。クレムリン宮殿前の赤の広場にはボルシェビキ革命の指導者レーニンのミイラが眠っており、宮殿内のあちこちには帝政ロシアの貴族の遺骨が安置されている。最近、ロシア科学アカデミーの科学者らがこれら遺骨を分析した結果、いくつかの遺骨から水銀、鉛、砒素など重金属が見つかった。彼らが激しい宮廷闘争の中で毒殺されたことを証明する手がかりが出たのだ。

◆実際に1000年余りの間、クレムリン宮殿の内外では毒殺説が後を絶たなかった。帝政時代だけでなく、旧ソ連以後の現代史の中でも、毒殺は競争者や政敵を「静かに」除去する手段として頻繁に使われた。社会主義リアリズムの創始者である作家マキシム・ゴーリキーが当時、ソ連の独裁者スターリンの指示で毒殺されたという説は、今日に至っては、ほぼ真実とされている。残酷な指導者の代名詞だったスターリンも、自分の右腕だった秘密警察の首長ラブレンティ・ベリヤによって毒殺されたという説もある。

◆毒殺は権力争いの手段のほか、冷戦時代には熾烈だったスパイ戦にも使われた。悪名高い旧ソ連国家保安委員会(KGB)の将軍出身で米国に亡命したカルギンは、「我々は当時毒物を『工作』に日常的に使った」と証言している。冷戦終焉後も同じだった。2年前、ロシア当局はチェチェン反軍指導者のエミル・ハタプを除去した。毒殺だった。その報復としてチェチェン反軍もロシア政府寄りの首相の毒殺を試みている。

◆毒殺は韓国の歴史の中にも登場する。「改革君主」だった正祖が守旧勢力によって毒殺されたという説は有名だ。毒殺の加害者は当然その事実を隠そうとする。卑劣な毒殺の陰謀が明るみに出れば、非難を避けられないためだ。高宗が日本人に毒殺されたという噂が3・1運動のひとつの要因ともなっている。最近、大統領選挙戦の途中、毒物中毒となったウクライナ野党のビクトル・ユシチェンコ候補は俳優のようなハンサムな顔は失ったが、その代わりに民心を得た。26日にやり直し選挙が行われるウクライナ大統領選挙は、毒物で政敵を除去し歴史の流れを変えそうとする勢力に向けた歴史の警告になるのだろうか。

モスクワ=金起顯(キム・ギヒョン)特派員  kimkihy@donga.com