1日午後4時、タイ南部クラビの死体安置所。韓国の遺族らがいきなりざわめき始めた。
コンピューター・モニターで600体あまりの死体写真を調べていた遺族が、チ・ヒョンジンさん(24・女)に金ヒョンスンさん(45・女)と推定される死体を見つけたのだ。
韓国から派遣された国立科学捜査研究所(国科捜)法医学チームと警察庁指紋鑑識チーム4人が急いで調べに取り掛かった。到着したのは2日前だが、タイ政府が死体に対する接近を許容しなかったため、韓国チームは「開店休業」状態だった。
しかし、そのままでいるわけには行かなかった。指紋鑑識作業ではなく、個別的な死体確認だけすると提案した。
タイ国人ボランティアらがコンテナから死体2体を運び出した。死体は腐敗していた。
指紋鑑識チームが指を観察したが、すでに指紋も消えてしまった状態。歯牙の形態と残りの服を通じて確認作業をしていたが、それから10分たらずでタイ警察が押し掛けてきた。警察は、「正式許可証がなければ死体確認はできない」と言って、作業を中止させた。
しかし、同日の作業で、死体2体は韓国人であることが分かった。
法医学チームの関係者は、「タイ政府の業務処理があまりにも鈍く、まともな処理手続きもない。不安でならない遺族のため、『不法』でも死体を確認するしかない」と話した。
記者が、「警察が押し掛けてきて、金さんの死体をまともに確認できなかったかのではないか」と問うと、朴ヒチャン科学捜査科警視は、「10分間ほど観察しながら、皮膚の一部を採集しておいたので、DNAと指紋検査が可能だった」と話した。
朴炯準 lovesong@donga.com