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外国人労働者、無防備なまま有害物質に中毒

外国人労働者、無防備なまま有害物質に中毒

Posted January. 14, 2005 23:14,   

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京畿道華城市(キョンギド・ファソンシ)に続いて、安山市(アンサンシ)パンウォンル工業団地にある液晶ディスプレー(LCD)部品の製造会社で働いていた外国人労働者らも、集団で多発性神経病症(腕や足の神経がまひする病気)を引き起こし、一部の人たちは2年7ヵ月間にわたって治療を受け続けていることが確認された。彼らもLCD部品を最終的に洗浄する過程で、マスクなどの安全装備を着用せず、ノルマルヘキサン成分が入っている洗浄剤に無防備のままさらされていたという。これは韓国内の中小企業で働いている外国人労働者らが、有害な環境に無防備にいることを示すもので、当局による監督の徹底や関連業者の労働環境の改善が求められる。

▲被害例続出〓14日、高麗(コリョ)大学付属の安山病院によると、安山市パンウォル工業団地にあるLCD部品メーカーのS社(廃業)で働いていたヤンジョグク氏(40)とヨスウン氏(53・女)、イムアヤン氏(47・女)などの中国人労働者6人は、2002年6月、集団で同病気の症状を訴えた。

彼らは腕と足に部分的なまひ症状を起こし、同病院で神経組織検査などを受けたところノマルヘキサン中毒による多発性神経障害と診断された。

彼らのうち、ヤン氏などの3人は同病院と安山中央病院などで2003年5月まで入院し、リハビリを受けたほか、退院の後にも時々通院治療を受けていたが、最近再び症状が悪化している。

ヤン氏などが務めていたS社は、LCD液晶モニターを生産する会社で、彼らは2〜6ヵ月間密閉された空間でノマルヘキサン成分の洗浄剤でLCD部品を洗う作業をしていたという。

一方、華城市にあるD社で働き、多発性神経障害になったパタラワン氏(30・女)などのタイ人の女性労働者5人は、安山中央病院に入院してリハビリ治療を受けている。

取材チームが確認したところ、この他にも1999年にはHタイヤの労働者1人と、2002年には京畿道富川市(キョンギド・プチョンシ)D化学の労働者1人などが、ノマルヘキサン中毒で韓国産業安全公団に報告されていたことが分かった。

韓国産業安全公団・職業病研究センターの金ビョンギュ次長は、「彼らは皆韓国人で、入院治療を受け、今はすっかり直っていると聞いた。外国人の場合はその理由は分からないが、報告も、疫学調査の要請もない」と話した。

▲安全死角地帯にいる外国人労働者〓華城市のD社で勤めていて病気になったタイ人の女性労働者5人は、これまでに1度も特殊健康検診を受けていないことが、14日分かった。

これに関連して労働部は「事業主が不法滞在者の雇用を隠すために、検診を避けたのか、労働者自らが検診を拒否したのかについて調べている」ことを明らかにした。

京畿道水原市(スウォンシ)労働事務所は13日、D社に対する1次調査を行ったのに続き、作業環境測定基準の点検や特殊健康検診の実施、個人防具の支給状況などといった保健措置が適切に取られていたかどうか調べ、違法事実があれば、会社代表などを司法処理する方針だ。

現行の法律では、有害物質(合計120種)を扱う事業場の労働者は、物質の毒性の程度に応じて、6ヵ月〜2年に1度の特殊健康検診を受けることが義務付けられている。しかし、これに違反した場合でも1人当たりわずか20万ウォンの罰金が科せられるだけであり、さらに不法滞在者は義務的な検診の対象ではない。

高麗大学安山病院の朴ジョンテ産業医学課長は「産業安全保険法では、正職員が毒性物質を取り扱う場合は、定期的な職業病の検診を受けることが義務となっているが、多くが非正規職員として働いている外国人は定期検診の対象ではなく、こうした被害は再び発生しかねない」と指摘している。

一方、労働部は同じ症状が発生した後の昨年12月、タイに帰国した3人の労働者を韓国に呼び寄せて、治療を受けさせることにした。

現在、労働部の調査によると、全国367の事業所で2600人余りがノマルヘキサンを扱っている。

▲不法滞在者も産業災害の対象〓今回、多発性神経障害になったタイ人労働者は、1人を除いて皆不法滞在者だ。中国人の労働者も不法滞在中だった。

しかし、韓国の国内法では不法滞在者でも作業場所属の労働者で、業務上の災害が認められる場合は産業災害の対象になり、通常の治療期間中は追放されないことになっている。