1948年の韓国政府樹立直後に施行された秋穀買い上げ制度(政府がコメ価格の安定とコメ需給を調整するため、農民たちから政府が定めた価格で一定量のコメを買い上げる制度)が事実上廃止される見通しだ。
秋穀買い上げ制度が廃止されれば、農民たちはコメを相場どおりに売るしかないため、農家所得減につながるものとみられる。
11日農林部によると、政府と与党ヨルリン・ウリ党は最近、政府与党間協議会で秋穀買い上げに対する国会同意制の廃止を盛り込んだ「糧穀(食料用穀物)管理法改正案」を同月臨時国会で処理することで合意した。野党のハンナラ党も秋穀買い上げ制度の廃止が避けて通れないものと見ており、法案の成立はほぼ確実な状況だ。
国会同意制度が廃止されれば、政府は農家からコメを買い上げるかどうかを任意で決めることができ、おのずと秋穀買い上げ制度の効力はなくなる。
農林部は「1994年ウルグアイラウンド交渉の妥結以来、秋穀買い上げ資金が代表的な削減対象の補助金として分類されているだけに、同制度の維持が難しい状況だ。秋穀買い上げ制度を廃止する代わりに、公共備蓄制を取り入れる計画だ」と明らかにした。
公共備蓄制とは、非常時に備えてコメとその他の食料用穀物を市場価格で買い上げて貯蔵しておくもの。ところが、既存の秋穀買い上げ制度より買い上げ価格は低い。
農民たちのコメの売り方も大きく変わる。
秋穀買い上げ制度が実施されたときは、農民たちが政府が年初に定めた価格に沿って収穫前の5、6月頃、前金(約定価格の60%くらい)を受け取り、収穫後残金を支払ってもらうことができる。
しかし、公共備蓄制が導入されれば、農家は政府からあらかじめ金を支援されなくなる。収穫後、産地の相場に沿ってコメを売らなければならないからだ。
農林部の関係者は「公共備蓄制は政府の必要に応じてコメを買い上げるものに過ぎず、農家支援の効果は期待薄だ」と述べた。
一方ハンナラ党は、秋穀買い上げ制度の廃止を視野に入れて対案作りに取りかかった。
国会の農林海洋水産委員会所属であるハンナラ党の金在原(キム・ジェウォン・慶尚北道・軍威—義城—青松)議員は「秋穀買い上げ制度の廃止を前提に目標価格を定め、5年間市場価格との差額を補填する方策を検討している」と説明した。
全国農民連帯の鄭基煥(チョン・ギファン)執行委員長は「秋穀買い上げ制度の柱を維持し、公共備蓄制の導入時期を世界貿易機関(WTO)交渉が完了する5月以降に見合わせるべきだ」と主張した。
legman@donga.com