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[社説]景気回復、物価不安、庶民の苦痛

[社説]景気回復、物価不安、庶民の苦痛

Posted March. 03, 2005 22:44,   

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景気回復の春が近づいてきていると言われているが、庶民にとっては依然として春ではなさそうだ。せっかく景気が上向いてきても、庶民にその温もりが届くのは一番遅いというのが現実だ。そうした中、生活物価も大きく上がっているため、景気活性化の効果より、苦痛が先に立つ。

先月、米や野菜など156品目の生活物価は、1年前と比べて4.9%も上がった。全体消費者物価上昇率3.3%よりはるかに高い。農水産物や公共サービス料金のような生計型品目が大幅に値上がりしたためだ。生活物価指数に体感失業率を足した体感経済苦痛指数は、03年10.3から昨年11.5へ大きく上昇した。所得が増えない中、必須の支出が増えるのだから、庶民の苦痛は大きくなるしかない。

しかし、物価不安要因はまだある。今年に入って原油と国際原材料の価格が連日最高値を更新している。これは工業製品と各種公共料金の値上げ要因となる。一部地域ではバスとタクシー料金の値上げが、次から次へと予定されている。政府が財政の早期執行と総合投資計画の施行を通じて本格的な景気テコ入れに乗り出せば、供給側面が上昇作用を引き起こすインフレの可能性も排除し難い。

企業の景気展望やデパートなどの売り上げ推移を見れば、景気回復の兆しはさらに明確だ。こうした局面は幸いだが、庶民の暮らしの助けになるためには、特に物価が安定しなければならない。

政府は庶民の生活必需品の価格安定に行政力を集中しなければならない。原油と原材料の価格安定も重要だ。韓国銀行は、「成長から物価安定へ」に金利政策の目標を見直す方策を検討することもできるだろう。

この2年間、景気低迷の苦痛を一番多く受けてきた庶民が、景気回復の恩恵は享受できないまま、物価上昇の被害者に追い込まれることがないようにするのが両極化を緩和する道でもある。景気回復が「特権層」にのみプラスになるようにしてはならない。