政党資金の使途を語るとき、決まって出る言葉が「金を食べるカバ」だ。莫大な金が入るという意味である。そのため各政党は、国庫補助金、後援金、党費の外にも、常に違法な「ブラック・マネー」を調達した。党費の占める比重は大きくなかった。党役員や議員ではない平党員は、たいていが党費納付に疎かで、党も大きく問題視しなかった。党内選挙などを控え、「党員資格」を問題視する時は、出馬した候補側で代納する場合が多かった。「自分の味方」を作るためだ。
◆しかし、政治関係法が厳格になって、政党財政の透明性が強調され、党費の比重が大きくなっている。各政党は、「党費を出してこそ、各種党内選挙の選挙権と被選挙権がある」とし、真の党員確保に熱をあげている。中央選挙管理委員会によると、昨年のヨルリン・ウリ党の党費は108億ウォンで、党収入総額の29.7%だった。ハンナラ党は47億ウォン(5.6%)、民主労働党は66億ウォン(55.1%)だった。それだけ、民労党に熱烈な党員が多いという意味だろう。
◆党によって差があるが、平党員が払う党費は月1000〜5000ウォンだ。党役員は、職責によって月数万ウォンから200万〜250万ウォンまで支払うように策定されている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領はウリ党「首席党員」として、月200万ウォンを自動振込み方式で支払っているという。党総裁として巨額を出した過去の大統領に比べれば、雀の涙である。
◆ウリ党の党議長選挙に出馬した柳時敏(ユ・シミン)議員が、「党費論争」に巻きこまれた。昨年5ヵ月間で700万ウォンの党費を滞納したが、問題となるやあわてて納めたというのだ。党規定上3ヵ月以上滞納すれば、党員の資格が停止される。ライバル候補側は、党議長候補の資格がないと主張する。柳議員は「不注意とミス」と謝罪したが、苦しい弁明である。これまで「党費を支払う党員」を特に強調してきただけに、「ダブルスタンダード」という非難は避けがたい。自分を振り返らずに他を責める「観念的道徳主義」が、結局ブーメランになったわけだ。
宋煐彦論説委員youngeon@donga。com