鉄道庁(現、韓国鉄道公社)のロシア・サハリン油田投資のため設立された合弁会社の(株)コリアクルードオイル(KOC)のホ・ムンソク(71、地質学博士)代表が、現政権の実勢と密接な関係を結んできたことが確認された。
先週、監査院によって出国禁止となっている不動産投資会社のハイアンド代表の全大月(チョン・デウォル、43)氏をホ代表に紹介した人物も、政界の関係者であることが明らかになり、今事件に政界が深く関わっているという疑惑が高まっている。
ホ氏は先月8月、鉄道庁傘下の韓国鉄道交通振興財団が民間の事業者と合弁でKOCを設立すると、理事を引き受けてのち同年9月に代表に就任した。
4日、ホ氏の高校の同門たちによると、同氏は米国やインドネシアの石油会社などに勤めながら財力を積み、国内外の政界の関係者たちと深い関係を形成したことが分かった。
国内政界の代表的な人物としては盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の前後援会長の李基明(イ・ギミョン、69)氏と、与党ヨルリン・ウリ党の李光宰(イ・グァンジェ)議員。
ホ氏と李基明氏はソウルH高校の同期であり、李氏の紹介で02年ごろから李議員と知り合った。某週刊誌はこれと関連し、「01年当時、盧武鉉キャンプだったソウル汝矣島(ヨイド)クムガンビルを訪れたホ氏を、李氏が李議員に紹介した」と報道した。李議員はハイランド代表の全氏とは同郷出身で、中学の同窓生だ。
ホ氏は02年大統領選挙当時、李議員が企画室長を務めた盧大統領の大統領選挙キャンプだった自治経営研究所で、「インドネシア大統領経済顧問」という肩書きで諮問委員として活動した。
ホ氏の高校同門のA氏は、「ホ氏と李氏の仲は良かった」と話した。ホ氏が理事を務めている平和問題研究所の関係者も「ホ博士は国内に入るたびに李氏に会った」ことを明らかにした。
KOCに参加していた民間事業者と鉄道庁の関係者は、ホ氏がロシアの油田投資に誰よりも積極的だったと説明している。
ハイランド代表の全氏は4日、本紙記者との電話で「昨年6月、李議員室を訪れて油田事業と関連し協力を要請すると、李議員がホ博士を紹介してくれた。以後、ホ博士がこの事を主導的に進めてきた」と主張した。
全氏はまた、「これに先立って04年4月ごろ、江原平昌郡(カンウォン・ピョンチャングン)で行われた同門の体育大会で李議員に初めて会っており、同年10月、江原出身の会合のときにも顔を合わせた。世間に知られているほど、親しい関係ではなかった」とつけ加えた。
これに先立って、全氏に事業を提案したエネルギー取引会社のクックエネルギーのクォン・グァンジン(52)代表も、最近、本紙の記者に対し、「ホ博士が事業のビジョンが明るいという投資報告書を提出し、鉄道庁が事業に関与するようになった」と主張した。
ホ氏の高校同窓のB氏は、「サハリン油田のほか、鉄道庁が参加しようとしたインドネシア鉄鉱石事業や、北朝鮮の骨材採取事業もホ博士が関与していた事業だ」と話した。
鉄道庁関係者も、「ロシア油田の事業妥当性について実質調査していた昨年10月、ホ博士がソウル中区(チュング)の鉄道庁事務室に立ち寄って、『投資のビジョンが明るい』とアドバイスして、事業を引き続き進行した」と述べた。
高校同門たちによると、ホ氏は慶南金海(キョンナム・キムヘ)生まれで、延世(ヨンセ)大学1年生を終えた後米国に渡り、ミシガン大学の地質学科を卒業した後、教授を務めた。
同氏はブッシュ前大統領(現大統領の父親)と関連がある石油会社のテキサスコに勤めたことがあり、インドネシアのある石油会社探査室の副社長を務めた後、マドゥラ油田開発に参加した。以後、ホ氏はインドネシアで鉄鉱石と石油関連会社を設立して運営していると、同門は伝えた。
許京万(ホ・ギョンマン)元全羅南道(チョルラナムド)知事は、「01年インドネシア訪問の際、当時の大統領と面談を行ったが、大使館もできなかったことをホ氏の助けで解決したことがある」と述べた。
高校同窓のA氏と平和問題研究所側は、「楊斌・前新義州(シンウィジュ)特区長官が退陣した直後、北朝鮮側がホ博士に新義州特区長官職を提案した」と伝えた。
こうしたホ氏の様々な背景が、鉄道庁がサハリン油田事業に無謀に乗り出すことに大きく影響し、ホ氏の政界・官界の人脈がこの過程で相当な影響力を発揮したのではないかという疑惑が広がっている。
本紙はホ氏とのインタビューを数日間試みたがつながらず、ホ氏の夫人は、「夫の経歴はほとんど事実だが、夫が2日午前に事業のため中国へ出国した」ことを話した。李基明氏も本紙とのインタビューを断固断った。
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