北朝鮮の姜錫柱(カン・ジュソック)第1外務次官が極秘裏に訪中(2〜5日)したのを契機に、中国が、自国の監獄に収監中だった脱北者30人あまりを北朝鮮に送還させ、中朝国境地帯の付近で大々的な脱北者への取り締まり活動を繰り広げていることが分かった。
11日、現地の消息筋が伝えたところによると、「吉林省長春市の鉄北監獄に収監中の脱北者90人あまりのうち、約30人が4日、突然、減刑の手続きを済ませた後連れて行かされており、北朝鮮に送還されたことが、ほぼ確実視される」と伝えた。消息筋は「収監中の脱北者を面会するため刑務所を訪れた際、このような話を聞いた」とし「残りの人たちもいつ北朝鮮に送還されるか分からず、不安な日々を送っている」と付け加えた。
同施設に収監されている脱北者には、宣教活動と脱北者支援活動を行なっていた人が多数含まれている。一方、吉林性延吉市の別の消息筋は、12日「現地警察が6日から今月末まで、脱北者への集中取り締まりに乗り出した」と伝えた。
中国筋は、姜次官が訪中した後、こうした動きが表面化している状況に注目し「中国が脱北者の送還を、6者協議への復帰を狙った対北朝鮮誘引策として使おうとしたならば、国際社会から非難を受ける可能性が大きい」と指摘した。
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