レンギョウの花がつぼみを開く頃になると、喜ばしくない客が1人が訪ねてくる。中国北西部の砂漠と黄土高原に強風が吹きつけ、土ぼこりを空に舞い上げる。一寸先も見えない黄色の土ぼこりは、風に乗って1日か2日後には韓半島の上空を覆いかぶせる。太平洋の雲を通過して減少するが、1週間でロッキー山脈を越えて米国中東部にまで到達する。米国で、「アジアのほこり(Asian dust)」と呼ぶ黄砂だ。
◆中国は国土の17%が砂漠だ。高温多湿のアジア南方の大気が、チベット高原を越えて雨を降らした後、中国北西部地方には乾燥した大気だけが流入する。そのため、巨大な砂漠が形成された。開墾、伐木、牧畜が砂漠化を加速化する。毎年ソウルの3、4倍に至る土地が砂漠に変わっている。オランケを防いだ万里長城も、黄砂には無力だ。黄砂のために北京を遷都しなければならないという声までしばしば聞かれるほど、黄砂に苦しんでいる。
◆だが、黄砂は悪いことばかりではない。太陽熱を反射して大気の温度を下げることで、地球の温暖化を抑制する効果がある。酸性雨と酸性土壌を中和する作用も観測されている。しかし黄砂は、全般的に北東アジアの最も頭の痛い環境災害だ。世界銀行の報告書によると、中国人4人に1人が大気汚染による疾病で死亡した。韓国と日本は、中国の次に黄砂の被害国だ。
◆中国は、国土の砂漠化を阻止するために涙ぐましい努力をしている。雨一滴も降らない土地に水を引き入れ、草地と森を造成する至難な事業だ。それでも経済の高度成長を持続する中国が13億の人口の力を合わせたなら、かなりの成果を収めることができるのではないか。黄砂の発源地を緑地に変える巨大な事業に、韓中日の3ヵ国が共に投資すれば、シナジー効果を生むこともできるだろう。過去の歴史を嘘で粉飾することにエネルギーを浪費するのではなく、「中国のほこり」を減らすために力を合わせる時だ。
黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com