韓昇洲(ハン・スンジュ)前駐米大使は7日、「北朝鮮の最近の動きをみると、交渉力を強めたり、米国の関心を引きつけるためというよりは、核保有の地位を認めてもらおうとする狙いがあるのではと見られる」とし、「そのため、核実験を実施する可能性が高い」と述べた。
韓前大使の見方は、「北朝鮮が挑発的な行動を続けるのは、米国の関心を引きつけるための交渉カード」とする韓国政府の公式見解とは異なるもので注目される。韓氏が今年2月に大使を退任したあと、マスコミに北朝鮮核問題に関して見解を述べたのは、本紙とのインタビューが初めてだ。
韓氏は6者協議の有用性について、「多数の国が参加している6者協議は、責任と負担が分散しがちで、対北朝鮮圧力を強化できるというメリットがある反面、水面下の交渉のようなものが全く不可能だ」とし、「6者協議は有用だが、それだけに依存するのでは限界があるのではないかと思う」と話した。
また、北朝鮮が6者協議に復帰する可能性については、「極めて期待薄だ」とし、「北朝鮮はイラクが核兵器を持っていたからではなく、持っていなかったから米国の侵攻を受けたと考えている」とし、「むしろ米国が『リビア式の核放棄』モデルを北朝鮮に適用しようとしているため、小さな進展も難しくしている」とも述べた。
韓前大使は、「米国が北朝鮮核問題を国連安保理に付託しようとするなら、来年まで待つことはないだろう」とし、「韓米両国間で、双方の首脳に信頼されている人物同士が、共同の戦略について話し合うべき時点だ」と強調した。
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