北朝鮮が6者協議への復帰の意思を明らかにしたという。日程までは提示しなかったが、中国外交関係者が「協議が数週間のうちに北京で開かれるだろう」と公言したことから、協議再開は、時間の問題と見える。北朝鮮の瀬戸際戦術と時間稼ぎのために1年を無駄にしたのは惜しいが、協議が進めば対北制裁という最悪の状況は避けることができるので希望的だ。
しかし、性急な期待は禁物である。これまで見てきた北朝鮮の行動から考えて、会談形式や議題をめぐり大変な綱引きが予想される。北朝鮮が6者協議より米国との2国間協議に固執することは明らかだ。米国が北朝鮮の会談復帰を誘導するために、「6者の枠組みの中で2国間協議も可能だ」と言ったが、実質的な論議はやはり6者協議で行なわれなければならない。北朝鮮が核を放棄しても、その補償は韓国、日本、中国、ロシアが引き受ける可能性が高いためだ。
議題は、選定から容易ではない見通しだ。北朝鮮は、軍縮など到底聞き入れ難い大きなテーマを提示した後に、これを細く割けていくという得意の戦術を使う可能性が高い。「2・10核保有宣言」ですでに核兵器保有国になったので、「核廃絶」(軍縮)とこれに伴う補償を本格的に論議しようと主張し、他の部門で譲歩を取りつけるやり方だ。
これに効果的に対処するには、5ヵ国、特に韓米間の協力が緊要である。北朝鮮が望む「体制保障」にしても、これをどこまで容認するのかについて合意がなければならない。北朝鮮が国際社会の責任ある一員になるには、自由化と開放が避けられない。「体制保障」が金正日(キム・ジョンイル)政権の永久存続を保障する「白紙小切手」になってもいいかは疑問だ。
重ねて強調するが、11日の韓米首脳会談はこのような問題に対する真剣な論議を通じて、韓米協力を固める席にならなければならない。