金曜の夜。高速道路は都心から出て行く車でいっぱいだ。空港も混んでいる。旅行会社のパッケージツアーに週末をオールインした人たちだ。人で混み合い、道は渋滞するが、日常脱出の期待で満ちている顔が、見た目にも楽しい。しかし、彼らの月曜の朝の表情は果してどうであろうか。
○出発と到着にゆとりがあってこそ「疲労回復」旅行
行く先がどこであれ、「1泊2日」は旅行するのに十分だと感じられる期間ではない。それで、多くの人々が時間を稼ぐため、金曜の夜遅く車を走らせる。しかし、このようなハードな週末旅行スケジュールは、平日の業務ストレス以上に精神と身体に大きな負担となる。
医者は、「外で2泊する週末旅行は、長い後遺症を残すかも知れない」と助言する。欲張らないようにしよう。週末旅行計画を立てたなら、金曜は早く帰ってぐっすり眠り、土曜の朝早く出発した方が良い。
ハードなスケジュールの「観光」は、1週間の積もった疲れを解消する週末旅行モデルとしては良くない。余白があってこそ休息になる。3時間以内に行ける山や谷、海辺が週末旅行として適当だ。日帰り旅行でも頻繁なら身に負担になるので、1カ月に1回ぐらいにしよう。
日曜の午後半日は、週末旅行の疲れを癒す「緩衝時間」として活用する。なるべく家で家族と一緒に過ごしながら、月曜の準備をしよう。1泊旅行に行っても、日曜の昼食は家や近くで食べられるよう計画しておく。
眠る前に肩や首など、疲れでこちこちになった筋肉を和らげるのが、後遺症防止のポイント。15分ほど簡単にお風呂に入った後、横になって頭からツマ先まですべての関節を順に和らげる。呼吸を維持しながら「10秒ストレッチング、10秒休憩」を3回繰り返した後、眠りにつこう。
○移動過程での疲れも減らすのが「賢い」旅行
旅行の疲れは目的地よりは移動過程で積もる。長距離運転をしたら、1時間に1回ずつは車から降りて休息を取らなければならない。交通停滞がひどい時は、両肩を大きく動かしたり、運転台をぎゅっと握るような簡易ストレッチングを繰り返しする。
腰の負担を減らすための正しい運転姿勢維持も重要だ。シートを90度に立て、腰を深く座る。運転席の位置は、ペダルを深く踏んだ時、膝がちょっと曲げられた状態になるよう調節する。
夏季には冷房で車中の空気が乾燥しやすいので、ややもすれば水気攝取不足による脱力になるので注意しよう。小さなアイスボックスを準備し、飲み物と果物、おしぼりを用意してから出発しよう。特に、糖尿患者は喉の渇きが感じられなくても、車での移動中には引き続き水を少しずつ飲まなければならない。
週末農場やペンションを利用するなら、野外活動の中で負傷にも備えなければならない。求急薬と非常連絡先を準備し、心臓病などで毎日服用する薬があるなら、2日ぐらいの余裕分を持って行く。
(アドバイス=セブランス病院家庭医学科のカン・ヒチョル教授、応急医学科の朴インチョル教授、ソウル峨山病院スポーツ健康医学センターのチン・ヨンス教授)
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