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軍の警戒にまたも穴…犯人は五里霧中

Posted July. 22, 2005 06:11,   

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軍当局と警察は20日、江原道東海市(カンウォンド・トンヘシ)の楸巖(チュアム)海水浴場付近の第23師団指揮下の陸軍警戒所から拳銃と実弾を奪った犯人が、さらなる犯行を行なう可能性が高いとみて、検挙に全力をあげている。しかし、21日午後まで、犯人たちの行方はつかめていない。

▲緻密な犯行〓20代と推定される犯人3人は、各種道具を犯行に利用して、武装した軍人たちを完璧に制圧した。

犯人たちは20日午後10時10分頃、警戒所付近を徒歩で巡察中だったクォン中尉と通信兵に道を尋ねるふりをして近付き、突然、隠し持っていた凶器を取り出した。そして、クォン中尉らの目に接着用のスプレーをふきかけて目を見えなくさせ、口に軍手をかませてテープでふさぎ、身動きがとれないようにした。

犯人たちは、K1小銃1丁とK2小銃1丁、実弾15発入りの弾倉2つ、無線機1台を奪って、クォン中尉らの両手をひもで縛って、「ソウル34×○○○6」ナンバーの乗用車、ニュー・グレンジャーのトランクに押しこめた。犯人らはこの車に乗って、犯行現場から3km離れた江陵(カンルン)方面の東海高速道路にある東海トンネルの近くに向かい、クォン中尉らを降ろして両足を縛り、逃走した。

▲2次犯罪の憂慮〓大胆な犯行の手口から、犯人たちは盗んだ拳銃で金融機関や民間人をターゲットに、2次犯罪を犯す可能性が高いとみられている。

軍当局は、2002年の首都防衛司令部拳銃奪取事件のように、今回奪われた拳銃が、凶悪犯罪に使われる可能性を憂慮している。

さらに、今後の検挙過程で、犯人たちが盗んだ拳銃で人質をとったり、銃撃戦となる最悪の状況が起こる恐れもある。

▲節穴だらけの軍警戒網〓軍当局は、犯人たちがソウルや江陵の方言を使い、凶器を使用した点、拉致した軍人たちを解放した点などから見て、ひとまず「対共容疑(国家保安法上の容疑)」ではないものと見ている。

事件直後、軍当局は該当地域の軍団と師団に対スパイ浸透作戦態勢である「珍島犬」を発令し、東海市と江陵市、大関嶺(テグァンリョン)一帯の約600の軍警合同検問所に武装兵力を配置した。

また、江原東海警察署に軍警合同捜査本部を設置し、犯人たちの逃走路を中心に精密な捜索を行なう一方、ソウルに進入する主要道路に臨時検問所を設置して、すべての車両に対して検問を実施している。

今回の事件と関連して、先月、北朝鮮軍の兵士が最前方の鉄柵線を通過して帰順したのに続き、再び前方部隊の警戒態勢に大きな穴があいていたことは、緩むだけ緩んだ軍の綱紀を示しているという批判が多い。

軍当局は、犯行が発生した海岸警戒所が海水浴場と近接しており、平素から民間人の接近が頻繁であったため、被害将兵たちが警戒を緩めて不意打ちにあったと説明した。

該当部隊は将兵たちに民間人に親切に道案内をするように指示し、外部の人物が近づいても、規定による誰何や検問を実施していなかったという。



ysh1005@donga.com