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「マイナスイオン腕輪」が健康に良い?

Posted August. 19, 2005 03:04,   

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最近、「マイナス(陰)イオンの腕輪」が流行っている。「マイナスイオン」という科学用語にトルマリン、チタン、ゲルマニウムのような不慣れな名前が加わって、「健康腕輪」をもっと神秘的にさせているようだ。

「マイナスイオン」は、原子や分子に一つ以上の電子が加わって生ずる化学種を指す科学用語だ。今まで世の中には110種の元素と3700万種の分子が存在することが確認されている。原則的にすべての原子や分子は他の原子や分子から電子を得て、マイナスイオンになることができる。反対に電子を奪われるとプラス(陽)イオンになる。

マイナスイオンがすべて人体に役立つという主張は全く理にかなっていない。実際、マイナスイオンの中には人体に致命的な毒性を示すものも多い。身体に有害だとして知られている「活性酸素」に属する「スーパーオキサイド」も、そのようなマイナスイオンの一つだ。

腕輪に入るトルマリンのような宝石やチタン、ゲルマニウムのような金属はマイナスイオンを作りにくい。おびただしい量のエネルギーが必要だからだ。また腕輪広告に登場する「Ge+」という記号は、「マイナスイオン」ではなく「プラスイオン」を表す化学記号だ。

さらに電気を帯びたプラスイオンとマイナスイオンは、空気中ではとても不安定であるため存在することができない。広告によると、健康腕輪から出るマイナスイオンの数は空気1000分の1Lに数千個だと言う。空気1000分の1Lに入っている酸素と窒素分子の数はなんと3000京(3×1019)個に至る。結局、空気分子3京(1016)個にマイナスイオン1個が混じているという意味だ。

そんなマイナスイオンを捜し出すことは、砂場で針を捜すよも難しい。存在を確認するにも困るマイナスイオンが、人体に良い效果を現わすというのは納得の行かない主張だ。

鬱蒼とした森を散歩すれば気持ちがよくなるのも、正体不明のマイナスイオンのせいだという主張がある。

しかし、実は森の效果はきれいな空気と静かな雰囲気にある。科学用語の正確な意味が分からなければ健康を守るのも難しく、金銭的損失を被ることになる。