テレビ・ドラマの主演俳優が、過度な間接広告による無理な内容に抗議する騒ぎがあった。SBSドラマ『ルル姫』の女主人公である金ジョンウンさんはインターネットを通じて、「あらゆる商品を間接広告するためのドラマのようで、演技するのが難しい」と訴えた。ドラマの題目がスポンサー製品であるビデ名と同じで、「ビデ姫」という冷やかしまで受けた女優が自ら告発するまで、放送社は無責任に「広告同様のドラマ」を続けてきた。
また、まともに検証もされていない誇張された内容が、KBS第1テレビ「水曜企画」を通じて放映されたという事実も、このほど明らかになった。3ヵ月前、「ある中小企業が電気自動車を世界で初めて商用化した」というドキュメンタリーを放送したが、同番組を作った外部制作会社代表が当該中小企業社長の実兄だったというのだ。国民が税金のように出す視聴料で運営される国家基幹放送が、「過大包装した広告」を正規番組で流したわけだ。
鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)KBS社長は2年前、就任の挨拶で、「本質的に地上波は国民の物」と強調した。彼が言わなくとも、公共性と公益性が放送の生命のように重視されるのは、放送社が国民の財産である電波を借りて番組を放送するからだ。したがって、放送社が特定企業や特定人のために電波を流すのは、国民の財産を横領したのと同じだ。
電波の一部を政権の私物であるように政府寄りの「コード放送」に利用するのは、放送社の反国民的職権乱用だ。そして、他の一部を外注製作社に任せ歪曲された内容さえ検証しないのは職務遺棄だ。
放送法は、「広告と番組が混同されないよう明確に区分しなければならない」と規定している。文化観光部は同法を避けながら、放送社の収入を上げてあげるため、「スポンサー露出」という用語まで作って間接広告を許容する方針だ。『ルル姫』の場合から分かるように、現在も間接広告が幅を利かせている状況だから、今後も、電波の私用化、放送の商業化が深刻に懸念される。国民電波財産権の侵害をこのまま放置しておくわけにはいかない。