「線路に倒れているおじさんを見た瞬間、無意識のうちに飛び込んでしまいました」
12日午後6時ごろ、ソウル地下鉄・衿川区始興(クムチョング・シフン)駅の線路に転落していた50代後半の男性を、列車が到着する直前に救った李チャンフン(18・京畿道華城市)君は緊迫した事故の瞬間を説明した。ソウル冠岳区新林洞(カンアクグ・シンリムドン)ソンボ高校の3年生である李君は、この日もいつものように帰宅するため始興駅に入った。
地下鉄駅のホームには、人が集まって「踏み外して転げ落ちた人がいる」とざわついていた。李君は「駅舎に入ってくる電車のライトと線路に倒れているおじさんの姿が、同時に視野に入ってきた」とし「気を失ったまま身動きをしないおじさんの姿を見て、助けなければと思って、自分でもわからないうちに飛び込んだようだ」と話した。
李君は、その男性を反対側の線路に移そうとしたが、一人では力不足だった。電車が警笛を鳴らしながら駅舎に入る瞬間、それを見守っていた公益勤務要員と他の市民1人が力を添え、その男性を向い側の線路に移すことができた。安心した李君は、何も言わず現場を去った。
その後、李君の制服・名札などを通じて身元情報を確認していたある市民が、学校側に知らせて来て、李君の善行が公開された。学校側は、李君を表彰する方針だ。
李君は「それ以上手伝うこともなさそうだったなので、そのまま帰宅した」と言って、「危険な状況に陥った人を見たら必ず助けなければならない、という母の教えを初めて実践し、ただただ嬉しい」と話した。
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