定年後、フィリピンの高山都市バギオで生活している鄭元永(チョン・ウォンヨン、61)、金順玉(キム・スンオク、60)氏夫婦は、「ここで初めて、安楽で満足のいく第ニの人生を見つけた」と話す。
そして、「それなりに忙しく、楽しく過ごしている。一生をここに居て、1年に12回、子どもたちのいる韓国に行き来しながら暮す」と話した。
マレーシア政府が、外国の定年退職者を誘致するために実施している「マレーシア・マイセカンドホーム・プログラム」に参加して、クアラルンプール近郊で暮らしている黄義俊(ファン・ウィジュン、72)、呉姫順(オ・ヒスン、71)氏夫妻は、「世界各国のあらゆる食べ物を安く食べることができる。グルメの私たちは、おいしい食べ物を食べ歩くことができて、住みやすい」と話した。
夫妻は、「現在、友人2家族が同じプログラムに参加して、ここに住む準備をしている。友人までここに定着すれば、老後がもっと楽しくなるだろう」と言って、期待感を表わした。
「貯めた財産のない普通の韓国人が、定年後、年金収入や賃貸料など、月200万ウォン程度の固定収入で、東南アジア地域で楽な老後を送ることができるか」というテーマで、これら国家を17日間に渡って取材した結果だ。
フィリピンのバギオやアンヘレス、マレーシアのクアラルンプールやコタキナバル(ボルネオの島)、ネパールのカトマンズやポカラ、タイのバンコクやチェンマイなどで、老後を送る韓国人たちは、おおむね現地生活に満足している。
タイ北部の観光文化都市であるチェンマイに住む金鎬運(キム・ホウン、71)、韓英淑(ハン・ヨンスク、68)氏夫妻は、「チェンマイは、私たちが経験した場所の中で、一番満足できる所だ」と断言した。
しかし彼らの中には、外国生活からくる退屈さや寂しさ、コミュニケーションの難しさを吐露する場合もあった。
彼らの生活費は、地域や個人によって多少の違いはあるが、夫婦基準でフィリピンは月200万ウォン、マレーシアは220万〜250万ウォン、ネパールは150万ウォン、タイは200万〜220万ウォン程度だった。家政婦を雇い、ゴルフや余暇生活を楽しむことはもとより、1年に12回、韓国を往復する旅費まで含んだものだ。
「どうすれば余生を楽しく過ごすことができるか」ということは、すでに定年したか、あるいは定年を控えている人の最大の関心事だ。平均寿命は長くなるにもかかわらず、定年時期は繰り上げられる御時世。そのうえ、もはや子どもに扶養を期待できない雰囲気では、定年後に備えることは他人事ではなく、まさに自分の問題となっている。
そのため、少なからぬ人々が、韓国よりも生活費がかからず、環境と気候条件の良い東南アジア国家での生活を考えている。
今回の取材は、多くの読者の問い合わせと要望によって実施された。彼らは40代半ばを過ぎ、ソウルを基準に平均32坪のマンションを持っており、200万ウォン前後の年金所得や賃貸料の所得を予想している人が多かった。
彼らは、冬を含む1年の半分は東南アジア国家で、残りは韓国で住みながら老後を送りたいという希望を抱いていた。
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