高齢者の声が高まっている。世界で類例を見ないほど高齢化が早いスピードで進み、「シルバーパワー(Silver Power)が強まっていくすう勢だ。福祉政策の受恵対象という消極的な姿勢から抜け出し、自ら権利を獲得しようとする「老権伸張の運動」が活発に展開され、現れた現象だ。
▽積極的な権利を求める=江原道平昌郡(カンウォンド・ピョンチャングン)平昌邑の高齢者会は、最近「小さなデモ」を繰り広げた。20年前に平昌邑ハ里に建てられた130坪規模の高齢者会館が古すぎるため、現代式の健康福祉タウンにリモデルリングしてほしい、と求めた。署名運動が開始されると、平昌郡は来年度に新築する予定の郡文化福祉センターに、高齢者の意見を積極的に反映させる、と約束した。
蔚山市北区農所3洞(ウルサンシ・プクグ・ノンソ3ドン)ソクシムマウルの高齢者らは最近「高齢者関連の施設が市中心部だけに集中している」とし別の施設の建築を市に申し立て、前向きな反応を得た。全羅南道(チョンラナムド)は高齢者の意見を聴取し、恵まれない高齢者への無料給食費の支援金額を、今年下半期から一食1520ウォン(約150円)から2000ウォンに引き上げた。
大田市(テジョンシ)は、6日「高齢者福祉の模範都市・大田2010」の計画を宣布した。来年から2010年まで、総3154億ウォンを注入して△高齢者に支給する交通手当を拡大し△高齢者のケアマネジャーを確保し△全天候ゲートボール場を設け△シルバー芸術団を運営するなど、13の課題を進めるという内容だ。
▽全国組織も活発化=高齢者が急増し、要求も多様化するにつれて、高齢者の声を代弁する組織や団体が増えている。蔚山では今年6月、65歳以上の警備員からなる警備労組がスタートした。京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)では「高齢者による、高齢者のための高齢者の新聞」である「シルバータイムズ」が、5年続けて発行されている。全国的にも、大韓高齢者の会以外に、21世紀シルバーフォーラム、老年有権者連盟、高齢者の電話、韓国引退者協会が活発に活動を展開している。
インターネットのメディア「シルバーネットニュース」(silvernews.or.kr)はで、教育・文化・福祉・社会・健康生活の5つの部とおよそ50人の高齢者記者団が活動している。これらの団体は、高齢者のための福祉予算の増額を求めることにとどまらず△安全な道路横断に向けた「シルバーゾーン」の導入△就職博覧会の定例化を進めるなど、生活周辺の権益に関連した意見を積極的に示している。韓国老人福祉学会は今月末、ソウル鍾路区(チョンノグ)の宗廟(チョンミョ)公園で、高齢者およそ2000人が作家する大規模の集会を開催し「1分自由発言台」を通じて、高齢者の多様な要求を聴取する予定だ。学会会長の林春植(イム・チュンシク、56)漢南(ハンナム)大教授は「高齢者の権益運動を率いる高齢者非政府組織(NGO)同士の連帯活動を強化し、財源を確保すれば、高齢者人口が韓国社会の最も強力なパワーグループになるだろう」と分析した。
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