北朝鮮労働党創建60周年(10月10日)記念で、平壌(ピョンヤン)で大規模に繰り広げられる「アリラン」公演観覧のために、全国の公務員と教師らが大挙して訪朝していることが6日、確認された。
このため、北朝鮮体制の正統性を鼓吹する内容を盛り込んでいるアリラン公演を、公務員たちが集団観覧するのが果して妥当かどうかをめぐり、論議が起こっている。
全国教職員労働組合(全教組)所属の教師約200人は7日、1泊2日の日程で北朝鮮を訪問し、アリランを観覧する計画だ。全教組は対北支援団体の「我が同胞が一つになる運動本部」の要請を受けて、訪朝教師を募集し、教師らは訪朝費用100万ウォンをそれぞれ負担した。
教育人的資源部は「全教組で訪朝日程を出張として処理してほしいという要請があったが、公務ではないため、個人休暇をとるようにした」ことを明らかにした。
韓国教員団体総連合会と韓国教員労働組合も、対北支援団体などからアリラン観覧行事に参加することを勧誘されたが、参加しないことに決めた。
全国公務員労働組合(全公労)は、我が同胞が一つになる運動本部の要請で、13、14日に200人が訪朝してアリランを観覧する日程を立て、全国各地域の本部を通じて、訪朝の申し込みを受けている。
全公労慶南(キョンナム)地域本部長は「7日までに慶南支部に割り当てられた21人をすべて満たす方針だ」と話した。
18人が割り当てられた全公労全南(チョンナム)支部の場合、6日までに7人から申し込みを受け、全公労光州(クァンジュ)市支部は、東区、西区、北区、光山(クァンサン)区で、区役所や市教育庁所属の公務員6人を選抜して、訪朝させる予定だ。全公労釜山(プサン)市支部は、支部長ら4、5人が訪朝することに決めた。
一方、全羅北道(チョルラプクト)では、姜賢旭(カン・ヒョヌク)知事など、道所属の公務員10人と、市長、郡首及び市郡議会議長団41人、道議会議員団5人が、3、4日、道が支援した黄海南道(ファンヘナムド)の協同農場と農機械修理所を訪問した後、平壌でアリランを観覧した。
また、仁川(インチョン)市では、文化体育観光局長と南北交流支援チーム長が、先月27、28日に訪朝してアリランを観覧し、文化芸術課の職員2人も5日、訪朝した。仁川市は、2014年、アジア競技南北共同開催のためのムードづくりのために、公務員たちの訪朝を勧めているという。
一方、京畿道(キョンギド)は、北朝鮮側がアリラン観覧を強要したため訪朝日程を取り消したことを明らかにした。
孫鶴圭(ソン・ハッキュ)知事らは、10月初めに、北朝鮮に支援した稲作栽培法の結果を確認するために訪朝する計画だったが、北朝鮮側がアリラン観覧を訪朝の前提条件にしたために、計画を白紙にした。
京畿道の関係者は「公務員たちが、経済・文化交流レベルの訪朝ではない北朝鮮体制の正統性を誇示する行事に動員される姿は望ましくない」と指摘した。
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