国防部が、韓米間の迅速な軍需支援のための新協定の締結を、6月に米国に要請したが、拒否されていた事実が、遅れて明らかになった。戦争ぼっ発に備えた韓米間の緊急所用不足品リスト(CRDL)は昨年末に廃棄され、戦争予備物資(WRSA)計画は、06年末に廃棄される予定だ。このような状況での米国の新協定の拒否は、まちがいなく、戦争初期状況の責任と負担を韓国が全面的に負うべきだという通告とみていい。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が掲げた自主国防の「対価」が、一つ二つと、現実のものとなっているのだ。CRDLとWRSAは、大半が戦時に備えた弾薬だ。しかし、現在、韓国軍が保有する弾薬は、約10日間の戦争を遂行できる分量に過ぎない。2020年までに推計される自主国防予算621兆ウォンには、弾薬項目が含まれていない。結局、政府は、別途の予算で戦時に備えた弾薬を準備しなければならなくなる。
政府が、5兆ウォン代のWRSAを買い受けるとしても、米国がさらなる負担を韓国に負わせようとする可能性が高い。米国はすでに2年前、「有事のさい、韓半島に投入する増員戦力の規模を再評価する」ことを韓国側に通知した。同盟からますます遠ざかる韓国に対して、米国はもはや犠牲を払う必要がないという判断が、行動として表れているのだ。米国の「安保の傘」が小さくなる時に生じる空白は、自主国防を叫んできた政府が補わなければならず、その請求書はそのまま国民に送られる以外にない。
政府の欺瞞に満ちた態度も問題だ。本紙が4月、米国のWRSA廃棄の方針を報じるや、国防部は「WRSAが廃棄されても、有事のさい、韓国軍の戦争遂行能力に問題はない」と豪語した。しかし、実際には、2ヵ月後に新協定の締結を米国に求めていたのだ。国民には安心しろと言いながら、背後では米国に助けを求めるダブル・スタンダードは、安保不安をさらに増加させる。
盧政府は、実利のない自主国防のスローガンをやめ、きしみ始めた韓米同盟を急いで再整備しなければならない。このままでは、安保は安保でぜい弱になり、国民生活はさらに打撃を受ける以外にない。