『飛天舞(ピチョンム)』の金ヨンジュン監督が5年ぶりに作った武侠アクション映画『無影剣(ムヨンクム)』のアクション概念は、特別新しいものではないが、実に驚かされる。香港武侠の自由な想像力とハリウッド戦争映画の無知で粗暴なスペクタクルを異種交配したように、刀を銃のように使うこの映画の剣術アクションは、突くのでも切るのでも裂くのでもなく、相手を破裂させるのに近い。
『無影剣』は、ストーリーに穴が多い。テジョンヒョンが、王子としての自分の存在能力に疑問を抱く姿も、グンファピョンに王子を消さなければならないつらい事情があるという点も、映画はこまかく説明していない。しかし、香港武術監督のマ・オクソンが具現化する圧倒的なアクションは、このようなストーリーの弱点を押さえつけてしまう。
観客に考えさせるよりも、観客が考えるスキを奪うという勢いで、強迫に近いほどぎっしりと配列されたアクションの呼吸は、それ自体が映画の主人公だ。水中に潜むテジョンヒョンとヨンソハに向かって、数十人の剣客が、機関銃を乱射するように槍を投げ、槍が水中で複雑な軌跡を描きつつ男女を追う水中のアクション・シーンは、強烈な美学的残像を残す。
遊園地の舞踊家のような演劇的な扮装、あふれる悲壮美、誇張されたキャラクター、世界風物紀行を想起させる無国籍セットは、一様に非現実的だが、一方でコンピューター・ゲームのような完璧な「過剰空間」を生み出す。リアリティで偽装するよりも、リアリティを窒息させる方法で、同映画は「力の美学」を蓄積していく。月明りの下で、屋根瓦の上を走り竹林を飛び回る見慣れたシーンにもかかわらず、『無影剣』が破壊力を持つ理由は、とるに足らない瞑想的なアクションで包装する試みを初めから捨て、どっしりとした物理力を総動員してビジュアルの究極を見せようとする初志一貫した態度にある。
同作品は、韓国映画の世界進出という面でも、関心を集める。米国のメジャー配給社であるニューラインシネマが、制作コスト(80億ウォン)の約30%を投資した映画で、同社の配給網に乗って、来年、米全域と世界各国に配給される予定だ。
入場は小学校高学年なら可能な「12才以上」だが、口が引き破かれ、胴が破裂する残酷なシーンが多く、保護者の指導が求められる。17日上映。
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