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[社説]金前大統領と傍受捜査を取引した盧政権の二重性

[社説]金前大統領と傍受捜査を取引した盧政権の二重性

Posted November. 29, 2005 07:51,   

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李海瓚(イ・ヘチャン)首相が不法傍受にかかわった元国家情報院長の司法処理の程度を事前に調整しようとしていた状況が明るみになり始めている。13日、金大中(キム・デジュン)前大統領を訪れ、林東源(イム・ドンウォン)、辛建(シン・ゴン)の2名の元国家情報院長の在宅起訴の可能性に言及し、政治的取引を試みたというものだ。李首相は2名が適切なレベルで遺憾を表明すれば、在宅起訴することもできるという考えを伝え、前大統領の協力を求めたものとみられる。

逮捕状は、検事の請求を受けて裁判官が出すことが、憲法と関連法規に明記されている。逮捕するかどうかの判断基準もやはり憲法と法律だ。知られている通りなら、李首相の行為は検察の政治的中立はもちろん、司法部の権限まで侵害した明白な憲法違反に当たる。

李首相の「説得」にも関わらず、金前大統領サイドは傍受への介入事実を否定し、裁判所が証拠隠滅を懸念した検察の請求を受け入れて礼状を出したものの、もし前大統領サイドが取引に応じたならば、どんなことが起きただろうか。検察にあらゆる圧力をかけ、それも通じなかったら、法務部長官がまたも「在宅捜査しろ」と指揮権を発動したのではないか。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、機会ある度に検察、国家情報院、国税庁、監査院など権力の手段になり得る機関を「すべて元の位置に戻した」と強調してきた。しかし、憲政史上類を見ない千正培(チョン・ジョンベ)法務長官の「東国(トングク)大学の姜禎求(カン・ジョング)教授事件」に対する捜査指揮権の発動と李首相の今回の憲法違反行為を見ても、その言葉を信じる国民はいないだろう。

しかも、李首相が前大統領を訪れるまでの過程を見れば、政府が組織的に動いたことは明確だ。千長官が盧大統領に捜査状況を報告し、2日後に李首相が前大統領を訪問したことは、何をものがたるのか。傍受を根絶したと言って国民の拍手を受け、湖南(ホナム、全羅道地域)の支持も逃してはならないという二重の計算に、首相自らが乗り出したということだ。

検察の責任も重大だ。林氏と辛氏が傍受への介入を認めれば、在宅捜査することもできるというのは、検察の暫定的な結論でもあった。法務長官にこうした捜査状況を細かく報告し、政権レベルで「防御」をはかろうとしたことは、検察の中立性を自ら損ねる行為だ。

大統領府と李首相サイドは、「あり得ないことだ」とシラを切るのではなく、政治的取引の全貌を明らかにし、憲法違反行為を謝罪すべきである。