2000年代、国楽界のテーマはフュージョン室内楽。打楽グループの「プリ」、「コンミョン」、ニューエージグループの「グリム(The林)」、ワールド・ミュージック・グループ「バイナログ」、伽椰琴(カヤグム)アンサンブルでは「四季」、「ヨウル」、「アウラ」などなど。これらのグループは、国楽を世界の音楽に育てていく新しい実験と創造の大黒柱になりつつある。
来月13日午後8時、ソウル梨花(イファ)女子大学の大講堂で公演する伽椰琴4重奏団「ヨウル」は、国楽器としては珍しく電子楽器を披露する。エレキ・バイオリン、エレキ・ピアノなど現代化した西洋のクラシック楽器のように、彼らが披露するのは「エレキ伽椰琴」。特に、18弦伽椰琴を改造して作った「ヨウル琴」はクラブバンドの楽器のように演奏でき、伽椰琴の大変身が予想される
▲秘密兵器「エレキ伽椰琴」…電子ギターのように楽しく〓03年結成された「ヨウル」のメンバー、キ・スクヒ(27)、李スウン(26)、アン・ナレ(25)、朴ミンジョン(25)さんは、国楽中高等学校と梨花女子大学韓国音楽科の先輩と後輩の実力派演奏者。
28日、「ヨウル」と会った場所は、京畿河南市(キョンギ・ハナムシ)の国楽器研究所の練習室だった。彼らは1ヵ月間の練習合宿中である。今回の公演で彼らが演奏するエレキ伽椰琴は、この1年間準備してきた秘密兵器。
リーダーのキ・スクヒさんは、「もともと伽椰琴は、少数の観客のための楽器だった。大衆の前で演奏したりクロスオーバーするには音量が少なすぎて、マイクを使わなければならないのがいつも不満だった」とし、エレキ伽椰琴の開発背景を説明した。肩に掛けられる18弦(ヨウル琴)と台の上に置いて演奏する25弦の二種類だ。
数十もの伽椰琴を犠牲にして独自開発したこの楽器は、エフェクターの調節によってコントラバスのように一オクターブ低い音を出したり、電子ギターのように余韻が長く続くなど、音域と音色が多様になった。しかし、手で引く手法は同じなため、伽椰琴ならではの清浄な音響は相変らず生きている。
「バイオリンやギターは、『ビブラート』をしても同じ音で震えますが、伽椰琴の『弄絃』は、上限の動く幅が大きくて、音が変わるほどです。このため、いくらクラシックやポップソングでも伽椰琴で演奏すれば、韓国人固有の情緒が感じられます」(アン・ナレ)。
▲「その気になれば、ロック音楽のように伽椰琴の弦をバチで引くこともできるでしょう」〓「今度のコンサートのコンセプトはバンド音楽です。もう国楽も若者が集まるクラブのようなところにも浸透すべき時期に来ていると思います」(朴ミンジョン)。
今度の公演で「ヨウル」は、冥想曲1曲を除いて残りの全ての曲はエレキ伽椰琴で演奏する予定だ。「新霊山会想」(作曲・金デソン)をはじめ、レド・ゼップレンのロック音楽「Stairway to Heaven」、ブルース風の「Stray Cat」、サンバ・リズムのジャズ曲「Puppy love」、「クリスマスキャロル」(編曲・黄ビョンギ)など、東西洋の古典や現代曲を網羅した曲を伽椰琴で演奏する。
「ヨウル」という名前は、伽椰琴の名人・黄ビョンギ先生が国楽界の変化の波をもたらせという意味でつけてくれた。すでに1970年代に伽椰琴を弓で演奏して、『迷宮』という破格的なアルバムを発表した黄教授は、「ヨウル」の新しい試みの頼もしい後援者になってくれた。彼は今度の公演のため、『クリスマスキャロル曲集』も編曲してくれた。
「ヨウル」はいつも伽椰琴を台に置いて立って演奏するのが特徴だ。立って演奏すれば、手も自由なだけでなく、もっと動的な表現ができるからだ。もしロック音楽を演奏したら、楽しさのあまりに肩にかけた18弦の伽椰琴の弦を、歯で噛み千切るのではないだろうか。李スウンさんは、「その気になったら、そうするかも知れない。その日の観客の反応次第」と話した。1〜5万ウォン。02−543−1601。
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