「他の人たちはお金を出して海外に行って勉強するというけど、私は好きな分野で働く夢を実現しました。」
韓国貿易協会の貿易アカデミーが開設した「情報技術(IT)マスター過程」に通うコ・ジュヒョン(30)さん。彼にとってこの1年は、「高3受験生」より、さらに大変な期間だった。
毎日12時間以上続く授業とプロジェクト、自習で、くたくたになった。ひっきりなしに出される宿題のせいで、週末もゆっくり休んだことはない。休みは真夏にとった1週間だけ。
しかし、その代価をはらって得られたものには満足している。彼は最近「ISFネット」という日本の中堅ネットワークサービス会社の入社提案を受け、来年1月に渡航する予定だ。中級以上の日本語会話の実力とIT分野の資格証4つは、就職とともに取得した「戦利品」だ。
●就業率100%の神話
コさんの仲間たちも、ほとんど就職が決まっている。今月卒業する第9期修了生93人のうち、海外就職希望者88名全員が「コスモコンサルティング」など12社の日本IT企業に入社が決まった。残り5名は国内企業に就職が決まったか、入社のオファーを受けて条件を吟味中かだ。
この課程は、2001年、海外就職を目標に、大卒未就職者と失業者120人を選抜してスタートした。
以来4年間で、卒業生たちの平均就職率は99%。特にこの2年間、日本就職希望者の就職率はなんと100%。
貿易アカデミーの李忠奇(イ・チュンギ)理事は、「卒業生たちはだいたい年俸3万ドル(約3000万ウォン)以上もらって現地で働く」とし、「一部はすでに韓国の『チーム長級』にあたるプロジェクトマネージャー(PM)級に昇進した」と話した。
当初は、この課程を終えた学生たちが直接日本に渡って面接を受けた。しかし2、3年前からは、日本の企業などが韓国へ来て入社説明会と現場面接を実施するほど状況が逆転した。新たに入社説明会に訪れるという会社も、毎年3、4社ずつ増えている。
●スパルタ式の猛特訓、実戦式の教育
学生たちの日課は午前8時に始まる。遅刻する学生が1人でもいると、翌日の朝礼は10分ずつ早まる。この時間から、日本語やコンピュータープログラミングなど正規授業と自習が午後9時まで続く。
講師は、日本語の場合はすべて日本人で、IT科目は3年以上の経験を積んだ現役の有資格者で構成されている。年間2200時間に達する授業は、大学4年間の講義時間を上回る。
高校生のようなハードな授業日程のため、落伍者も出る。
アカデミー側は「週末にも半分以上が学校に出て来て勉強する」とし、「適応できず途中であきらめる学生が毎年15%ほどになる」と話した。
徹底的に実務型の人材を育てるという点も強みだ。理論の講義後には必ず関連プロジェクトが続く。
また、日本企業の代表たちと年に2、3回ずつ懇談会を行った後、彼らのリクエスト事項を次期の授業日程に反映する。
jarrett@donga.com