国宝第1号の交替論争に巻き込まれたソウル中区南大門路(チュング、ナムデムンロ)にある崇礼門(スンレムン、朝鮮太祖1398年に建設)。鉄柵の外側で眺めるしかなかった崇礼門が、来年の夏からは市民のだれもが門を出入りしながら鑑賞できることになった。
文化財庁とソウル中区は、先月中旬から崇礼門の見学道造成工事に入った。来年上半期までに、崇礼門の石垣のまんなかに位置する虹模様の虹霓門(ホンエムン)を、見学者たちが往来できるように設計するという。
現在は、虹霓門内部の点検と床の調査を終えた状態。今月中旬までに周辺の夜間の照明施設を改善し、まもなく本格的な見学道造成工事に入る計画だ。
造成工事は、△石垣の銃弾跡の補修、△虹霓門の床の補修、△虹霓門内部の掃除などとなっている。まず目を引くのは、韓国戦争ときにできたと推定される銃弾の跡を補修する作業。虹霓門南側の左右の石垣には現在、50個あまりの銃痕が残っている。この銃痕による割れ目がさらに広がらないよう、補強処理などの補修作業を行う予定だ。もちろん銃痕や穴を埋めてなくしてしまうのではない。銃弾の跡も崇礼門がくぐりぬけた歴史の一部であるため、補強処理のみを行う方針だ。
虹霓門の床に薄石(平たくて薄い石)を敷くことも重要な作業だ。床にはもともと薄石が敷かれていたが、日本の植民地時代を経る過程で薄石が除かれ、現在は生石灰が敷かれている。
文化財庁は「古宮のような伝統建築物の床には元々薄石が敷かれた」とし、「現在、仁川江華郡(インチョン、カンファグン)で薄石に使えそうな御影石を採取しているが、時間がかかるので、来年上半期ごろに薄石工事が終わりそうだ」と明らかにした。
見学道の造成工事が終われば、朝鮮(チョソン)時代の人々が崇礼門を通ってソウル都城を往来したように、崇礼門を自由に往来することができる。国宝第1号の崇礼門の魅力を、より身近に感じることができるようになると期待される。
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