まだ結婚はしてないが、顔色を見ただけで、お互いの心がわかるような気がした。
コートで10年近く呼吸を合わせただけに納得がいく。手をとり合った彼らの顔は、幸せに満ちあふれていた。
韓国バトミントン界最高のスター・カップル、金ドンムン(30・三星電気)とナ・ギョンミン(29・大教ヌンノピ)。
今年のクリスマスに挙式を迎える彼らに7日、ソウル江東区(カンドング)のあるレストランで会った。ふだん毎日のように着る太極章(韓国国旗のシンボル)の刻みこまれたスポーツウェアの代わりに、さっぱりしたスーツ姿の金ドンムンとナ・ギョンミンは、「お忍びデート」からゴールインするまでの過程を率直に話してくれた。
代表チームの先輩・後輩の間柄から恋人になったタイミングはいつなのか、もっとも気になる。ナ・ギョンミンが先に、「本格的におつきあいを始めて3年くらい」と言うと、金ドンムンは、「つきあい始めて2年くらい。1年は別の相手らしい」と笑った。彼らは、「02年釜山(プサン)アジア大会が終わって、恋が始まった」と口をそろえた。当時、2人とも心身ともに疲労がたまっていたが、互いに頼り合っているうちに恋人になった、と。
03年6月に初めてキスしたという彼らが結婚を決心したのは、昨年、アテネ五輪が終わった直後だった。金ドンムンは、「ギョンミンと混合ダブルスで金メダルを獲得できなくてくやしかったけど、僕は男子ダブルスで金メダルをとったし、ギョンミンも女子ダブルスで銅メダルをとったから、プロポーズした」と言う。ナ・ギョンミンは、「彼は、オリンピック選手村の広場のベンチにわたしを呼び出して、結婚の話を持ち出した」と、照れくさそうに当時の状況を説明した。
結婚が25日という電撃的な日程になったことについては、ナ・ギョンミンの役割が大きい。金ドンムンが来年1月にカナダへ語学研修に行くことを先月に知ったナ・ギョンミンは、くやしさのあまり酒を飲んだ後で電話をかけ、「(結婚)してから行くか、(わたしと)別れてから行くか、どっちかにしなさい」と迫った。
いまは、他人の目を盗んで映画館やレストランでこっそりデートしなくてもいいのが嬉しいという彼らは、「結婚したらケンカすることも多いと思うけど、お互いに思いやり、理解し合いながら生きていきます」と笑顔をみせた。
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