国家人権委員会(趙永晃委員長)が、公務員と教師の政治活動の範囲の拡大、争議行為に対する職権仲裁制度の廃止、死刑制廃止、国家保安法および保護観察制廃止などを主要内容とする国家人権政策基本計画(人権NAP)勧告案を作成したことが15日、確認された。
政府は勧告案作成の過程に参加し、同案の大半を受け入れる可能性が高いものと思われるが、これまで進歩陣営で主張してきた内容を多く受け入れており、国会立法などの推進過程でかなりの論議と波紋が予想される。
本紙が入手した勧告案は、A4用紙約130ページの分量で、市民的・政治的権利の保護領域9分野、経済的・社会的・文化的権利増進の領域7分野、社会的弱者および少数者の人権保護の領域11分野の合わせて3領域27分野を盛り込んでいる。
勧告案は、公務員の政治活動を画一的・包括的に禁止した関連法を改正して、公務員と教師の政治活動の範囲を拡大することを決めた。これは、教師の政治活動の制限は合憲と規定した憲法裁判所の決定と真っ向から対峙する。
人権委は労働権の強化のために、職権仲裁制度の廃止、争議行為に対する刑事処罰と民事責任の緩和、職場閉鎖と代替勤労制限、必須共益事業場の範囲縮小などを課題として設定した。
さらに、非正規職と関連して、同一価値の仕事をする労働者の賃金、勤労時間、福祉および勤労条件の等しい処遇を保証する勧告もあり、財界の強い反発が予想される。
また人権委は、「生命権増進のために」死刑制の廃止を、「言論・出版の自由保障のために」国家保安法廃止を勧告した。また、良心・宗教の自由保障のために良心的兵役拒否を認め、代替服務制を導入すべきだと強調した。
勧告案は、集会場所や時間、方法を規制する「集会およびデモに関する法律」の条項も、削除または改善するよう勧告した。無分別な集会による住居権の侵害などが憂慮される。
人権委はまた、良心・宗教の自由拡大案の一つとして、私立学校の宗教科目の採択や宗教行事において、学生に選択権を付与することを決めた。最近の私学法の改正と関連して、論議が呼びおこされる部分だ。
社会的弱者および少数者の人権と関連して、勧告案は性的少数者である同性愛者や性転換者が性暴行から保護を受けられるように、刑法上強姦罪の要件対象を「婦女子」に限定した規定や、犯罪行為を「性交行為」に制限していた規定を改正することを決めた。
人権委関係者は、「人権NAPが施行されれば、国内の人権状況が画期的に改善されるだろう」と述べた。
同勧告案は来年初めに、人権委全員委員会の審議議決を経て政府に提出され、政府は、同勧告案によって人権NAPの細部の実践計画を立てて、2007年から2011年までの5年間に施行する。
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