28日、ソウル松坡区蚕室本洞(ソンパグ・ザムシルボンドン)の三枚肉(豚バラ)の店「ケギョン牧場」には、普通のレストランでは見られない変わった風景がある。
食堂の壁面あちこちに色とりどりの豚の貯金箱700個が置かれてあるのだ。貯金箱には、100ウォンのコインから1万ウォンの紙幣が、山のように積まれてある。このお金の一部は、恵まれない人々を助けるための寄付金として使われる。
提案した主人公は、この店のヤン・フェソン社長(43)。「本来この貯金箱は、お客さんが自分の食事代の2%を積み立てて、後で食事代に使うようにするため用意したものです。だが、月1回以上訪問しないお客さんたちには了解を得て、有意義な所に使うようになりました」。
昨年7月、100個でスタートした豚の貯金箱は最近、お客さんたちの呼応が高くなり700個に増えた。ヤン社長は、積立金の一部と私費を集めて、慶尚北道(キョンサンブクド)クムチョン市の「天使リハビリ院」に寄付金として寄託する予定だ。
ヤン氏が「愛の豚貯金箱」プロジェクトを進めることになったのは、98年の通貨危機当時、半分は自分の意思で半分は会社から勧められるような形で、通っていた会社を辞めて02年に食堂を始めてからのこと。「会社に通っている当時は、誰かを助けられるほどの心の余裕がなかったんです。でも、商売をしながら自分の周辺に厳しい状況にある人が少なくないことに気付くようになり、少しでも助けたいと決心しました」。同氏は「愛は分け合うほど大きくなるようだ」と話し、明るく微笑んだ。
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