「1080(テンエイティ、ten-eighty)をご存じですか」
この質問の答えを知っているとしたら、あなたは世界で一番早く広がり、一番早く発展している冬のスポーツの最新流行について知っていることになる。正解は、「スノーボードのハーフパイプ種目で駆使される最新テクニック」のことだ。このテクニックを駆使できるかどうかによって、2月のトリノ五輪の参加資格だけでなく、五輪のメダルの色まで決まると、「ニューヨーク・タイムズ」が最近紹介した。
▲プロ・スノーボード選手の25%が「1080」を練習中〓1080度を意味する。つまり3周の回転。5年前まで1080は存在しないテクニックだった。当時の最高のテクニックは、「900(2周半回転)」。しかし、02年、ソルトレイクシティー冬季五輪で1080を初めて披露した米国のロス・パワーズ選手とデニー・カス選手が並んで金、銀メダルを取ってから1080が広がった。
米プロスノーボードのメイスン・アギレー選手は、「1080はスノーボードのテクニックの新しい基準だ」と話す。
世界プロスノーボード選手のうち25%がこのテクニックを駆使したり、練習中であると推算されている。1080は最近に入って、後ろに回転する方式、ボードを取って回転する方式など、多様な変形テクニックが登場している。「1080アバランチェ(Avalanch)」、「1080スノーボーディング」など、1080にちなんだビデオ・ゲームも発売された。
▲2010五輪の時は「1260」が出る〓空中に浮かび上がって3周を回転するためには、とにかく高く浮かび上がらなければならない。次は体を垂直に立てたまま、早く回転する。安定した着地までするためには、ずっと気を引き締めていなければならない。昨年12月中旬、米国代表選抜戦で1位を占めたショーン・ホワイト選手は、「私はこのテクニックが本当に嫌だ。頭がくらくら回って空中で方向感覚を失ったりもする。その時は私が競技場から外れていないことを望むばかりだ」と話した。
女子選手の中では1080を試みた例がまだないが、まもなく登場すると予想される。「ニューヨーク・タイムズ」は、「次の五輪では『1260(3周半回転)』が出るだろう。まだ1080ができない選手は急がなければならないだろう」とアドバイスした。
▲1998年長野五輪の時、正式種目に採択〓1959年、米山岳地帯でスキーの代わりに板を使ってみたことから始まった。1970年代に入って、サーフィンボードとスキーを組み合わせて、今の形の製品が出始めるようになった。しかし、スキー人口は伝統的に上流層だったため、米国のヒップホップなどストリート文化が混ざっているスノーボードは長い間無視されてきたが、1998年の長野五輪の時、初めて正式種目に採択された。
韓国ではポップ・グループの「ソ・テジとアイドル(アイドルは、韓国語で子どもたちの意)」が1995年に、4番目のアルバムで「フリースタイル」というタイトルの歌とミュージック・ビデオを発表しスノーボードを紹介して以来、広がっていったことで知られる。
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