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衝撃に脆弱な外為市場

Posted January. 11, 2006 03:04,   

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9日外為取引の開始直後、500万ドル、300万ドルなど膨大な「売り」が殺到した。買いは姿を消している。980ウォン台を一気に割り込み、取引開始10分で975ウォンと下落した。外為ディーラーたちは当面のマーケットを見極めているだけだ。20分あまりが経った。突然ある銀行から市場価格より8ウォンも高い「983ウォンで買う」という注文が出た。為替レートを吊り上げるため、外為当局が介入したわけだ。取引が数回成立したが、外為当局も売り浴びせを防止するのには失敗した。20分で為替レートは再び1ドル=978ウォンに乗った。

これが経済規模で世界11位である韓国外為市場のあり様なのだ。

ドルに対するウォン相場が、コスダック(店頭市場)のように取引なしにストップ安のままで引ける現象が頻繁に起きるのは、外為市場の基盤自体が脆弱だからだ。

●小さすぎる外為市場の規模

国際決済銀行(BIS)によると、04年4月ベースで韓国の一日平均外為出来高は200億ドルで国内総生産(GDP)の3.3%、貿易規模の5.4%水準になる。先進国の平均がGDPの11%、貿易規模の17%水準であることからしてもかなり低いものだ。

経済規模に比べ、外為市場規模が小さいため、外為市場はわずかな衝撃でも大きく揺さぶられる。

世界的にドル安が進み、ウォン安ドル高は避けられないが、新年に入って十日もせずに3%以上ウォン高が進んだのは、外為市場が衝撃に脆弱だということを露呈する。

ある外為ディーラーは「大企業が輸出代金2億ドルのみウォンに変えても相場が5〜10ウォンも跳ね上がる」と述べた。

●市場を牛耳る50人

韓国の外為市場に参加する会社は56社。このうち10〜15社が、全体取引の70〜80%を占めている。

外為ディーラーは100〜200人と推算されるが、実際に携わっている人は50人前後だ。この50人が、韓国の外為市場を牛耳っている格好だ。

彼らは携帯電話やメッセンジャ(messenger・自分のコンピュータにインストールして使用する、リアルタイムでオンラインの相手と会話する為のアプリケーション)などを通じ、随時情報を交換する。

このため、大手銀行の外為ディーラー1人がドルを売りに出すと、別のディーラたちがこれに同調し、一瞬にして「売り1億ドル、買いゼロ」となり、急激なウォン高につながる。

1997年の通貨危機のさいは正反対の状況だった。

●ノンデリバラブル・フォワード(NDF) 市場の影響

NDF市場は、外国人がドルをウォンに変えて韓国に投資するさいに、為替リスクを抑えるためにオープンした。1999年韓国の銀行と外国人のNDF取引が開始して以来、00年一日平均出来高は4億ドルに過ぎなかった。ところが今では20億ドルを越える。

韓国の銀行間の一日出来高は45億〜50億ドルであるが、NDF出来高が20億ドルに上るため、NDFで投機筋が動けば韓国の外為市場は衝撃を受けるしかない。

NDF取引は、満期のさいに約束された相場と実際の相場間の差益だけの取引だ。

たとえば、1ドルを1000ウォンに売る権利を買ったが、実際の相場が980ウォンになると、差益であるドルあたり20ウォンのみ決済する。このため、外国の投機勢力がNDF市場で1000万ドルの売り注文を出せば、韓国の外為市場では5000万〜6000万ドルの売り効果として現れかねない。

投機筋の動向次第で韓国の外為市場は波乱含みの展開になる始末だ。

●膨らむ外為管理費用

通貨危機以降、韓国銀行(中央銀行)は国債発行で調達したウォンでドルを買い、それで米国の国債を買い戻すやり方で外為市場に介入してきた。

この手のやり方を繰り返し、外為保有高は2103億ドルで世界4位規模に膨らんだ。

しかし、米国の国債は韓国の国債より利回りが低い上、1ドル=1100ウォン台で買い取っていたドルが現在1000ウォンを割り込み、外為当局の為替差損はすでに10兆ウォンを超えている。



nirvana1@donga.com sublime@donga.com