政権4年目に入った盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が民生のために働ける時間は、事実上、今年1年だけだと言っても過言ではない。来年からは、本格的な大統領選挙の局面なので、国政の推進力は目に見えて弱体化するほかない。そのため多くの国民は、盧政権が今年1年だけでも「政治賭博」や理念争いよりも、民生や経済に専念してほしいと注文している。年末年始にあったすべての世論調査の結果がそうだ。
しかし、国民の願いは、年初から無惨にも破られた。盧大統領は2日と4日の組閣で、民意はもとより、与党の意見まで無視する独善と頑固さを端的に表わし、政局を動揺させた。そして、一昨日にあった盧大統領とヨルリン・ウリ党指導部の夕食会でも、民生問題に対する心配や国家次元の難局打開策の論議は見られず、「離党や決別」といった彼らだけの神経戦が行われた。税金で彼らを食べさせている国民の立場では、本当に情けないという思いを禁じえない。
同席で盧大統領は、柳時敏(ユ・シミン)議員の入閣に反発する与党側に向かって、「次世代のリーダーたちを成長させることの、どこがおかしいのか」と反論したという。しかし、「次世代まで行かずとも、現世代のリーダーたちで国民の心を楽にさせてほしい」というのが、多くの国民の心情だろう。自分の所任からしっかりと果たすことがリーダーの正道であり、新年早々から国を混乱に追いこむのに多忙な姿は、「見たくもない」という国民が増えるだろう。与党議員の口から「今日の稚拙なリーダーシップが、明日の立派なリーダーシップの出現をはばむ」という指摘が出るのも、無理はない気がする。
ウリ党も、大統領のせいばかりにする状況ではない。まず、国会の空転を正常化させなければならない。一方的な私立学校法改正に反発するハンナラ党の場外闘争を非難するだけでなく、ハンナラ党に国会に戻る名分を与える政治力を発揮すべきだ。ハンナラ党も、新しい院内代表選出を契機に、国民が政治に希望を感じられるように、野党第一党としてのリーダーシップを発揮しなければならない。このような善意の競争を通じて、民心を得なければならない。
大統領と与野党が、「内輪の政治賭博」をしている間にも、世界は無限競争の中で急変している。いつまでそれに背を向けているのか。