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[社説]世界に逆行する与党の「教育独裁」

[社説]世界に逆行する与党の「教育独裁」

Posted January. 17, 2006 03:59,   

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与党の「教育独裁」は、放置できないレベルに至った。「私だけが正しい」という独善と我執にしばられ、急進的で過激な教育政策と措置を矢継ぎ早に発表することで、教育の根源を揺るがす兆しが明確になったためだ。国の教育に対する統制は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に入ってさらに深刻になった。教育界では、「軍事独裁以後、今日ほど教育の自立性が損なわれたことはない」という不満が広がっている。過度の国家統制を通じて教育の競争力を高めた国はない。このままいけば、国際競争に立ち遅れる未来が待っているだけだ。

与党のヨルリン・ウリ党は、国立大学を強制的に統合する法案を推進している。40校あまりの国立大学を10校以内の圏域別拠点大学に統合するということだ。国立大学の構造調整は必要だが、強制統合は後遺症の大きい無理なやり方だ。統廃合のシナジー効果を高めるためには、各大学の長所を生かし、組織の効率性を高めることが先行されなければならない。そのためには、大学間の合意を通じて統合を進めるべきだ。すでに統合を決めた大学が10校もあり、構造調整のために国立大学を特殊法人に転換する法案まで具体化されつつあるなかで、なんの意図があって強制統合を行うのか。

ソウル大学など従来の国立大学の名称をなくし、「国立1大学」「国立2大学」式に変えるというのも、「ソウル大学廃止」をねらったのではないかという疑問を抱かせる。この政権の一部にある、ソウル大学廃止論者らは、全国の国立大学を統合して学生を共同で選抜し、学生は好きな大学へ行って授業が受けられるようにしようと主張してきたが、「大学まで下方標準化される」という反論にぶつかって退いたことがある。教育分野の至急の課題は、世界的な大学をつくることだ。にもかかわらず、世界大学ランキング100位にぎりぎりで残ったソウル大学までなくそうというのか。

ウリ党が違憲の余地を抱える私立学校法の再改正に対して「妥協は絶対不可」に固執しているのも、「教育独裁」のもう一つの例だ。教育人的資源部は、私学の建学の理念に合わない人が開放型理事に推薦された場合、私学法人が再推薦を要求できるようにする代案を出したが、与党はただちに拒否した。

この政権は、08年の新しい入試制度をつくるさいも、全国教職員労働組合など教育平等主義者の主張を受け入れて「内申書中心の入試」を貫いた。地域ごとに偏差の大きい内申成績で学生を選ぶことを強要するのは、「実力中心の競争」や「大学の自律権保障」からはほど遠い。これを受け、ソウル大学が統合教科型論述を導入して入試の弁別力を確保しようとすると、与党は「ソウル大学との正面対決」「初動鎮圧」云々して、力で屈服させた。権威主義政権の暴圧的な行動そのものである。

このような与党のやり方は、国の未来のために「競争と成果のある教育」を強調する先進国とは正反対の道を歩むものだ。米ヒューストン市は、学生の成績向上のため、教師と校長の給料に差をつけて支給する制度を取り入れたという。中国は1000あまりの大学のうち10の大学を集中的に支援する「選択と集中」戦略で、北京大学を世界15位へ、清華大学を世界60位圏の大学に送りこんだ。シンガポールは、世界の名門大学の分校を誘致して、アジア教育の拠点都市に発展している。

与党の「教育独裁」は政治、経済など他分野の実績が振るわない状況で、国民の関心の高い教育分野で「改革」を打ち出そうとする感がぬぐえない。これは、教育を政略的に利用するものだ。教育をこのように変質させれば、国内教育に対する失望感が広がり、人材と国力が流出し、国家競争力が低下する深刻な結果が生じるのは必然だ。その責任はすべて、この政権にある。