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[社説]警察の危機、治安の危機

Posted January. 27, 2006 03:06,   

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15万の警察が揺れている。士気が落ちて綱紀も崩れた。昨年末、許准榮(ホ・ジュンヨン)警察庁長官(当時)がデモ農民死亡事件の責任を負って辞任した後、治安トップの空白が長くなり、増幅された状況だ。

職務代理だった崔光植(チェ・グァンシク)警察庁次長は、ブローカーのユン・サンリム事件に関わっていたことが明らかとなり、収拾どころか混乱だけを増幅させた。崔氏が職位解除されたので、長官と次長の同時空席という警察史上初の事態が生じた。ソウル警察庁長も空席だ。

政府は昨日、次期警察庁長官内定者である李宅淳(イ・テクスン)京畿(キョンギ)警察庁長を、警察庁長官職務代理に指名する応急措置を取った。しかし警察組職の正常化にどれほど效果があるかは疑問だ。李長官職務代理は「山積した懸案の解決に集中する」と明らかにしたが、国会聴聞会が終わるまでは言葉とおり「代理」に過ぎない。現在のままでは、警察庁の後続人事などで実質的なリーダーシップが発揮しにくい。その上、李職務代理には、個人的に住居地偽装転入の疑惑が持たれている。

警察首脳の長期空白と警察組職の混乱は、治安への不安につながっている。天安(チョンアン)市民らは相次ぐ殺人恐怖に震えており、釜山(ブサン)のある葬式場では暴力団数十人が日中に凶器を持って乱暴を働いた。

全国的に放火事件も続いている。ある電気会社の労組員40余人が一昨日、政府庁舍の塀を越えて外交通商部庁舎玄関を占拠した事件も軽く見過ごすことはではない。

警察の紀綱の緩みと、それによる治安の危機をあおいだのは政府与党だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は不法暴力デモを無くす対策は用意せずに、一部の政派と市民団体の要求だけを受け入れて警察の「過剰鎮圧」責任を問うばかりだった。昨年末、ヨルリン・ウリ党は民主労働党を引き入れて予算案と不動産対策関連法案を処理するため、許長官に無理な圧力をかけ、辞任させた。警察が自分たちのアイデンティティに対する混乱に陥るように責め立てたのと同様だ。弱気の警察は、デモ鎮圧にあたる戦闘警察・義務警察に名札をつけさせるという方針を打ち出すに至った。

警察は果して、善良な国民を守ることができるのだろうか。