ソウルの名門大学を卒業した朴さん(32)は、典型的な「渡り鳥サラリーマン」だ。
2年前に一流企業に入社した彼は、「年俸と福利厚生が自分の期待に及ばない」ことから、6ヶ月でその会社に辞表を出して公告会社に移った。ところが、彼は、そこでも組織文化に嫌気がさしてきた。昨年、またしても仕事を止めた彼は、新しい仕事先を探しているところだ。
企業が、このような新入社員の「青い鳥シンドローム」で頭を悩ませている。青い鳥シンドロームとは、童話の『青い鳥』の主人公にちなんだ言葉で、新入社員たちが理想のみを追い求め、現在の仕事に満足できない現象を意味する。
これらは、当てもなく職を転転とする「ばった族」、現在は仕事をしていながらもつねに別の仕事を探すという意味で、「就業半修生」とも呼ばれる。
1日、オンライン就業ポータルサイトのインクルートが全国362企業を調査した結果、4社に1社(26%)は、入社1年目以上になると新入社員が半分も残っていないことが分かった。1年後の新入社員が全員残っている企業は3.6%に過ぎない。
ある証券会社の人事担当者は「怖いもの知らずなのか、会社に問題があるのかわからないが、入社1年目にもなっていない新入社員たちは、引き止めるわけにもいかない」と述べた。
インクルートの李光錫(イ・クァンソク)代表は、「求職者たちが企業と職務について調べずに、『無条件で志願』しているからだ」と分析した。
そこで、企業は青い鳥シンドロームから脱却するため、自主的に対策を打ち出している。
旅行会社のハナツアーは、入社6ヶ月以上の職員にストックオプションを与える。(株)大教(テギョ)もインターン社員に入社した後、1年間会社を辞めずに「勤続」した場合、4、5日間の海外旅行のインセンティブを与えている。LG電子は、最初から「勤続勤務者」だけをあぶりだすためのタスク・フォースまで作った。
インクルートの調査結果、後見人が一対一で相談に乗ってくれるマンターリング制度と職務教育、社員の家族まで巻き込むインセンティブ制度など、新入社員に優しい企業の退社率は、相対的に低くなっていることが分かった。
LG経済研究院の姜承勲(カン・スンフン)選任研究員は、「終身雇用が消えているのを見て育った新世代は、不確実な未来よりは即刻の満足と補償を望んでいる」と話した上で、「しかしながら、入社したばかりの会社を辞めることは本人にとって『マイナス』になる」と指摘している。
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