地方議会議員たちが、6月の任期満了を控え、観光性の外遊に出ている。
市民団体は「議員が卒業旅行をするのか」と改善を求めた。一部地域では、予算の無駄使い防止のために規則を改正し、注目を集めている。
▲任期が終わる前に急いで旅行?〓釜山(プサン)の金井区(クムジョング)議員16人は最近、5泊6日の日程で、中国とフィリピンを訪れた。名目は、観光事業ベンチマーキングと都市基盤施設の見学、姉妹都市の訪問だが、日程の大半は観光だったという。
江原道平昌郡(カンウォンド・ピョンチャングン)議員6人は、8日から10日間、イタリアのローマやトリノ、ジュネーブ、モスクワを周遊している。2014年の平昌冬期オリンピックの誘致活動を広報するというのが理由だ。しかし、冬期オリンピックが開かれるトリノには2日間だけ滞在し、残りは観光性のスケジュールだ。
慶尚北道星州郡(キョンサンプクト・ソンジュグン)議員8人は5日、議会制度を比較するという理由で、ベトナムとカンボジアに向った。慶尚北道のある地方議会は、「任期末の議員間の和合を図る」ことを研修目的に掲げた。大邱市達城郡(テグシ・タルソングン)議員11人全員も、最近5日間、香港と台湾に行ってきた。これには郡首や職員6人も同行した。
釜山江西区(カンソグ)の議員たちは、14日から5泊6日の日程で、中国の昆明と南京、上海に行く計画だ。市の関係者に会う以外は、大半が観光だ。これに対して、釜山参加自治市民連帯の金海夢(キム・ヘモン)事務処長は「海外研修の目的は、外国の事例を区政に取り入れることだが、任期末の海外研修は予算の無駄使いだ」と話した。
▲反発にあって計画変更〓慶尚南道(キョンサンナムド)議会は先月、外遊計画を立てたが、批判世論が出たために日程を調整した。教育社会委員会の議員7人は当初、オーストラリアのオペラハウスとブルーマウンテンを見学しようとした。しかし、観光に偏っていると指摘され、オーストラリアのシドニー市役所とニュージーランド教育庁の訪問を含めた。
慶尚南道議会の3つの委員会は今週、中国、フィリピン、ミャンマーを訪問する予定だったが、外遊論議を意識して中止した。慶尚南道議会のある専門委員は、「任期最後の年度に外遊計画を立てることは、道議会史上初めてだ」と話す。
仁川市西区(インチョンシ・ソグ)議員10人も最近、ベトナムとカンボジアに行き、ベトナムのハノイ市役所の訪問を後になって決定した。海上文化の探訪を理由に、ハロンベイとアンコールワットに立ち寄ろうとしたが、市民団体の指摘を受け入れて、日程を修正した。市民団体は、「議政活動を数ヵ月残した議員が、外遊で区政に何の貢献ができるのか」と是正を求めた。
▲はどめをかける地域〓慶尚南道の晋州(チンジュ)市議会は、「議員公務国外研修および出張の規則」を改正し、先月12日から施行している。観光性の外遊にはどめをかける内容が骨子だ。新規則は、海外研修と出張に行くには、出国45日前に計画書を審議委員会に提出し、帰国後30日以内に報告書および決算書を市議会ホームページに掲載するようにした。
外部者を含め7人だった審議委員を9人に増やし、詳細基準まで設けた。審議結果もホームページで公開する。
また、「天災などのやむを得ない場合を除き、審議された報告書と異なって不当に(旅費が)出費された場合、還収措置する」という条項を作った。
昨年2月の晋州市議会経済建設委員会の海外研修を機に、市民団体が規則改正研究会を作り、議会も参加して、意見を聞き入れた。改正案は、常任委を経て、昨年12月に開かれた本会議で表決なしに原案どおり可決された。
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