米国の「企業ハンター」カール・アイカン(69)氏が、これまで進めてきた世界最大メディアグループのタイムワーナーに対する攻撃を止め、KT&Gの攻略に集中するだろうという観測が出ている。これを受け、KT&Gは、タイムワーナーの経営権防御のための諮問役を務めたゴールドマンサクスを通じて、アイカン氏と彼の「連合軍」に関する情報収集と戦略分析に頭を悩ませている。
▲CNN、「KT&Gに攻撃集中」〓ウォールストリートジャーナルは17日、タイムワーナー株式の3.3%を取得しているアイカン氏がタイムワーナーの経営権を掌握しようとしていた計画をあきらめたと報道した。アイカン氏は昨年8月、タイムワーナーへの経営参加を宣言した後、4つの会社に分割することと、大規模自社株の買い入れを求めてきた。
ウォールストリートジャーナルは、企業分割に対する主要株主らの反対にぶつかったアイカン氏が、タイムワーナーの経営陣とある種の合意をし、攻略を中断したものと分析した。
CNNはまた、アイカン氏がこれから生命工学企業のイムクローンと韓国のKT&Gの攻撃に集中するだろうと予想した。
個人財産が78億ドル(約7兆8000億ウォン)に達するアイカン氏は、米国でも有名な企業ハンターだ。1980年代からTWA航空、ジェネラルモーターズ(GM)、USスチール、ナビスコなどの敵対的買収合併(M&A)を通じ、件別に数億ドルの差益を残して名を博した。証券業界と財界では「SK(株)を攻略したソボリン資産運営とは比べ物にならない大物」と口をそろえる。
金ヨンジンM&A研究所の金ヨンジン(45)所長は、「ニューヨーク・ウォールストリートのユダヤ人はみんなそうであるように、彼のM&A戦略はたった一つ、『高収益の創出』にのみ焦点が当てられている」とし、「このため経営権の買収、資産売却、経営陣への威嚇など、あらゆる手段と方法を動員する」と話した。
▲第2ラウンドの戦いが始まった〓これまでのアイカン氏の投資戦略の事例を見てみると、一定のパターンがある。まず、標的となる対象企業を選定する。低評価で、株式の配分がよくできており、攻略しやすい企業が主なターゲットになる。
第1段階では密かに株式を買い入れて、一定の株式を取得すると、株式保有事実を明らかにする。経営参加を宣言してからは、自社株の買い入れ、不動者売却、理事陣の選任などを通じて経営陣を圧迫する。
第2段階にはいると、本格的な「戦争」を繰り広げる。委任状の対決で企業と力比べをするのが特徴だ。最後の3段階では、会社の株価が大きく値上がりすると、差益を残して手を引くか、株価が上がらない場合は、経営権が弱い大株主に保有株式を時価より高い価格で売る「グリーンメール」を行う。
現在進行中のカナダのホテルチェーン、フェアモント・ホテル&リゾートの買収のように、企業の株式の51%を買い入れて経営権を握った後、高価で売却する方法もしばしば使う。
アシカン氏側の連合軍のスチールパートナーズは、運用資金の60%以上を日本市場に投資しているヘッジファンドだ。会長はアイカン氏がKT&Gの社会理事に推薦したウォーラン・リクテンスタイン氏。スチールパートナーズは、M&Aを行うかのように株式公開買収などで買収状況を公開し、株価の上昇を誘導した後、相当な差益を占める戦略を多く使ってきた。
KT&Gの株式の6.59%を買収したアイカン氏側は、社外理事の推薦に続いて委任状の確保に入った。KT&Gも3月、株主総会での票対決に備え、20日から委任状の確保に乗り出すと、17日に発表した。すでに第2ラウンドが始まっているということだ。
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